米ユニフォーム・メーカーが業態変更 医療従事者用のマスクとガウンの製造を開始

[ 2020年3月27日 12:19 ]

ヤンキース仕様の医療用マスクとガウン(AP)
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 北米プロスポーツチームのユニフォームを製造、販売しているファナティックス社(本社フロリダ州ジャクソンビル)が、新型コロナウイルスに感染した患者の治療に当たっている医療従事者のために、大リーグのフィリーズやヤンキースなどのユニフォーム生地をもとにしてマスクとガウンの製造に着手。すでに「プロトタイプ・バージョン」が完成し、大リーグのロブ・マンフレッド・コミッショナー(61)も“ゴーサイン”を出した。

 同社を設立し、NBA76ersやNHLデビルスの共同オーナーでもあるマイケル・ルビン最高経営責任者(48)は前週にこのアイデアを思いつき、ペンシルベニア州のトム・ウルフ州知事(71)や病院側からの要請も受けたために、もっとも患者が多いニューヨーク市の西100キロにあるペンシルベニア州イーストンの製造工場で、ユニフォームの柄を残したまま医療用のマスクとガウンの製造に着手した。

 電子商取引などで財を成し、総資産が23億ドル(約248億円)に達しているルビン氏はAP通信の取材に対して「ここにはユニフォーム製造のために100万ヤード分の生地がある。それを医療用にできないかと思って始めてみた。我々には医療の最前線で働くヒーローを助ける義務がある」とコメント。初期投資は300万ドル(約3億2000万円)ほどかかっているが、現在開幕を見送っている大リーグのユニフォーム用の生地を当面の間、医療用に転用するビジネスを展開する方針を固めた。

 米国では中国を上回る8万人以上が新型コロナウイルスに感染。最も感染者数が多いニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事(62)は26日の記者会見で「現在の医療システムの対応能力を超えている」と医療機器や病床、医療関係者の不足が深刻化していると訴えていた。

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