ダルビッシュ、センバツへの思い口に…無観客は「球児にとって最悪」も「仕方がない」

[ 2020年3月8日 02:30 ]

同僚打者を相手に実戦形式で3回を投げたダルビッシュ
Photo By 共同

 カブスのダルビッシュ有投手(33)が6日(日本時間7日)、実戦形式の練習に登板。3回、打者12人を相手に1安打1失点1四球、6奪三振で98マイル(約158キロ)をマークした。新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、前日はせきと鼻水の症状のためオープン戦先発を回避したが、体調面の不安を感じさせず。無観客開催へ準備が進められているセンバツへの思いも口にした。

 午前11時。ダルビッシュは、メイン球場スローン・パークのマウンドに立った。野手、審判もついての実戦形式。ただ、オープン戦ではないためスタンドにファンの姿はなく、閑散とした“無観客”での投球だった。

 「球場のちょっとした音楽であったり、お客さんの雰囲気とかがないので、アドレナリンはなかなか出ない。3イニング、体に負荷をかけられたという面では良かった」

 ソロ本塁打による1安打に抑え、最速は98マイル(約158キロ)をマークするなど内容は上々。前日はせきと鼻水の症状を訴え、球場の駐車場に到着後、急きょ病院へ。熱はなく、インフルエンザの検査も陰性だったが、新型コロナウイルスが頭をよぎったのも事実だ。「今になって2つの型があると言い出したり、1つの型は致死率が高いとか、そういうのがどんどん出てきて、未知数であるからこそ楽観はできない」。もう一方のメジャーキャンプ地・フロリダ州ではこの日、東海岸で初めて同ウイルスの肺炎による死者が2人確認されただけに、危機感を隠さなかった。

 日本では感染拡大により、センバツ大会が無観客開催を目指すことにも複雑な思いを口にした。「やっぱり嫌だと思う。せっかく甲子園に出て、自分らの時だけ無観客だったというのは、球児の皆さんにとって最悪だというふうに思うけれど、仕方がないことだと思う」。東北高時代は甲子園に2年春から4季連続で出場。球児を思いやりつつ、自身も万難を排し、開幕投手の座が有力視されるシーズンに向けて最善を尽くす。(メサ・奥田秀樹通信員)

 【ダルに聞く】
 ――前日はキャンプ地球場の駐車場から病院へ向かった。
 「コロナだと熱が上がると聞いていて、熱が出ていないのは分かったけど、一応どういうことがあるか分からない。球場に来る前にスタッフに連絡して、ドクターと話をしてもらった。車の中で待っていたら、“今日はすぐ帰ってくれ”と。熱を測る前に“今すぐ病院に行ってくれ”と」

 ――万が一の可能性を警戒しての判断。
 「インフルエンザと比べたり風邪と変わらないと言うけど、本当にやばいことになった時に取り返しがつかないことを自分はしたくない」

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2020年3月8日のニュース