明徳・馬淵監督 因縁対決で印象づけた“モデルチェンジ” スクイズ封印、2桁安打で打ち勝つ

[ 2019年11月15日 18:21 ]

第50回記念 明治神宮野球大会 第1日 高校の部1回戦   明徳義塾8―5星稜 ( 2019年11月15日    神宮 )

<神宮大会 明徳義塾・星稜>3回の攻撃前に選手に指示を出す明徳義塾・馬淵監督(中央)=撮影・郡司 修
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 甲子園大会春夏通算51勝を誇る明徳義塾(高知)・馬淵史郎監督(63)にとっても格別な1勝だった。巨人、ヤンキースで活躍した松井秀喜氏を5打席連続敬遠した1992年夏の甲子園大会2回戦以来、27年ぶりとなる公式戦での星稜(石川)との対戦。真っ向勝負でぶつかり、投打とも力を出し切っての勝利に「星稜さんと27年ぶりにやれて、私自身も忘れていたモノを少し、思い出したというのはある。ありがたかった」と感慨深げに語った。

 先制を許した直後に打線が活発化した。4回、無死からの連打と死球で満塁とし、5番・新沢颯真内野手(2年)が右前に同点打。暴投、捕逸の間にも得点を挙げるなど相手のミスにもつけ込み、一挙4点を奪った。さらに4―1の5回1死一、三塁からは主将の鈴木大照捕手(2年)が左越え3ラン。中盤の大量リードで完全に試合の主導権を握った。指揮官は前日「打ち合いでは勝てない」とし、ロースコアの展開を歓迎していたが、思惑を大きく裏切る11安打8得点。「全然、予想してなかった。あんなに点、取ると思ってない」と苦笑いだった。

 チームとしての“モデルチェンジ”を印象づけた試合だった。指揮官は試合前、選手達に「バントとスクイズはしない」と宣言。犠打は0―0の3回1死一塁、投手の新地が記録した1個だけで、スクイズのサインは出さなかった。

 「これまでは予選でも甲子園でも、1死からでも送って…とか、スクイズのチャンスがあれば、カウント0―2からでも、サインを出したりしていた」と振り返り「最近、歳をとったせいか限界を感じてきた」と笑う。

 「甲子園で勝つためには、ビッグイニングを作らないと。負ける時は作られているし。明徳がもう一段、二段上に上がるためには、それが必要なんじゃないか」

 この日も4―1の5回無死一、三塁、2番・合田涼真内野手(2年)にスクイズのサインを出すかを考慮した。だが「あそこでやるチームでは勝ち抜いていけない。前半、中盤なら、たたみかけていくべき」と静観。強攻策で合田は三振に倒れたが、後悔はなかった。全国の舞台で強豪校を相手に取り組んできた野球が通用するかを試し、同時に結果も出した。「チーム力はどっちか言ったら星稜が上。それが勝敗がこういう風に逆に出ることもある。それが野球の面白いところでもあるし、難しいところでもあるかな」としみじみと振り返った。

 星稜との27年ぶりの一戦に「当時、ああいうゲームだったから絶対に勝つとかは思っていなかった。一指揮官として、今日のゲームでどう采配をふるうのか、選手をどう鼓舞するかを考えていた」と自然体で臨んだ。「いろんなことをやって(今月で)64歳ですが、まだまだ野球ってのは、いろんな勉強をせないかんのですね」。時代に合わせてスタイルを変える。名将のもと、明徳野球は進化を続けている。

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