磐城 逆転で3回戦進出!エース沖が投打で貢献 台風被災者に「勝利で元気届ける」

[ 2019年10月14日 17:25 ]

第72回秋季東北地区高校野球大会2回戦   磐城2―1能代松陽 ( 2019年10月14日    岩手県営野球場 )

<磐城・能代松陽>3回戦進出を決め、抱き合う完投した沖(左)と岩間
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 台風の影響で12日と13日の試合が中止順延となっていた第72回秋季東北地区高校野球大会は14日、岩手県営野球場などで再開した。福島県勢の全3校が登場した2回戦6試合が行われ、県第3代表の磐城は能代松陽(秋田第1代表)に2―1で逆転勝ちした。県第1代表の学法福島と県第2代表の福島成蹊はともに敗れた。

 0―1で迎えた7回1死一、二塁。先発した磐城のエース沖政宗(2年)が2球目を叩き、左中間を切り裂いた。逆転の2点適時二塁打に「真っすぐしか狙ってなかった」と狙い澄ました一打をみせた。フライアウトが多かったため、トップの位置を上げてコンパクトに振った結果が出た。投げても圧巻で9回を1失点。初戦の東海大山形戦でも完封しており、2試合を投げて一度もマウンドを譲らなかった。

 「外を見ておけ」。13日の午後3時に磐城高を出発したバスの車内で木村保監督(49)がナインに発した。11日の1回戦の勝利後、その日の内に磐城ナインはいわき市に戻った。だが、12日の夜から13日未明にかけて同市は台風19号に見舞われ、夏井川などが氾濫。浸水被害が相次いだ。沖も祖父母の家に避難するなど磐城ナインは野球ができる状況になかった。

 13日の朝に14日の東北大会を予定通り行うという通知が来て、磐城ナインは13日の午後1時に学校に集合し、軽く体を動かして出発。「野球やってていいのかな」。誰もがそう思ったが、決まった以上やるしかなかった。

 バスは氾濫した好間川近辺を通り、いわき中央ICまでの道のりでは、いわき市の住民が必死で泥の撤去をする姿が多く見受けられた。バスの車内でナインはその姿を目に焼き付けた。郡山市在住で自身も避難を経験した木村監督は「俺たちにできるのは、この人たちのために勝って元気や勇気を届けることだ。思い切り野球しよう」と選手たちを鼓舞。磐城ナインも覚悟が決まった。岩間涼星主将(2年)は「手伝うこともできず申し訳なかった。この一戦は絶対に勝たなくてはいけない試合だと意志が固まった。自分たちだけの野球ではなく、いわき市の思いも背負ってやろうと決めた」と約5時間かけて、決戦の岩手の地へ乗り込んだ。試合前には木村監督が「いわき市を背負ってやろうぜ」とナインに念を押し、見事勝利。地元へ光をもたらした。

 準々決勝進出を決めた沖は「投げたら体に(疲れが)くるほうですけど、そんなこと言ってられない。ぶつけるくらいの覚悟で挑む」と福島の思いを背負い、最後まで投げきることを誓った。(近藤 大暉)

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