宇部鴻城の大谷、岡田Show Time!史上初「1番・投手弾」&12K完投

[ 2019年8月13日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権大会 第7日2回戦   宇部鴻城7―3宇和島東 ( 2019年8月12日    甲子園 )

<宇和島東・宇部鴻城>「1番・投手」で完投した宇部鴻城・岡田(撮影・北條 貴史)
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 漫画の世界のような活躍を甲子園の舞台でやってのけた。「1番・投手」で出場した宇部鴻城・岡田が本塁打を放ち、投げては147球で最後まで投げ抜いた。初出場だった12年以来、7年ぶりの初戦突破に導いた背番号「8」をつけた右腕は「まだベスト4という目標の一部。気を引き締めたい」と先を見据えた。

 2点リードの4回に1点を入れ、なお1死一塁。2ボールからの3球目、外寄りの直球に反応した打球は右翼席へ飛び込む2ランとなった。甲子園史上初の「1番・投手」の本塁打。「(それまで2打数無安打の)自分に四球は嫌だろうと思った。甘い球が来ると予想した。打った瞬間いったと思った」と投手心理を読み切った一打に笑みがはじけた。

 元々、投手だったが、昨年12月に腰のじん帯を痛めて中堅手に。春の大会後に尾崎公彦監督に投手復帰を打診されたが一度は断った。それでも野手としての出場を経て「もっとこう投げたらいいのではと考えるようになった」と投手心理を学んで再転向を決意。中堅の練習でこなした本塁への遠投で、直球の伸びや切れにも磨きがかかった。

 尾崎監督は「本人にも投手の時は下位打線に下げようかと聞いたが、“1番でいかせてください”と。その心意気を買った」と話した。初回先頭から3者連続三振。3回以降は毎回走者を背負い、13安打を浴びたが、130キロ台前半の伸びのある直球を武器に12奪三振で3失点に抑え「特に緊張することなく平常心で投げられた」とうなずいた。

 次戦はセンバツ4強の明石商。投手では珍しいリードオフマンは「自分が出て流れをつくる。楽しんでいきたい」と締めくくった。(杉浦 友樹)

 ◆岡田 佑斗(おかだ・ゆうと)2001年(平13)5月15日生まれ、山口県下関市出身の18歳。小学1年時にイーストウィン(軟式)で野球を始める。木屋川中の軟式野球部を経て、宇部鴻城に進む。50メートルは6秒3。趣味はバドミントン。1メートル78、78キロ。右投げ左打ち。

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