東尾修氏に聞いた“素材をそのまま伸ばす秘訣”

[ 2019年8月10日 11:47 ]

西武監督時代の東尾氏(左)と松坂
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 今年は大船渡の佐々木朗希投手や星稜の奥川恭伸投手など、今秋のドラフト会議でも、各球団競合しそうな投手がいる。将来球界を背負えるポテンシャルを秘めた素材。改めて松坂大輔投手が西武入団時の監督であったスポニチ評論家の東尾修氏に、素材をそのまま伸ばす秘訣を聞く機会があった。

 「プロの目、特に投手なら投手出身の首脳陣なら、キャッチボールやブルペン投球を1度や2度見ただけで、すぐに直したい点が見える。ただ、それはすぐに言っては駄目だ」と話す。実際、松坂投手についても、1月の新人合同自主トレのキャッチボールで左足首の硬さが気になったという。だが、結局言うことなく終わった。

 その理由について「技術的な部分は、まず何が通用して、何が足りないのかを自分が実戦の中で把握することが大事だから」と言う。その点を自覚する前から、技術修正を図ろうとすると、今持っている長所すら消しかねない。「大輔の時に初めて投球フォームの部分で指摘したのは3月10日すぎだった」と言う。オープン戦などの登板を経て「踏み出した左足の位置」へのヒントを与えただけだった。

 「投球フォームの分析や気になる点は、私が感じたものであって、それが正解ではない。すべての人が同じ体であれば、理想のフォームがあるが、選手それぞれに体の特徴は違う」。東尾氏が松坂をデビューさせるに当たって考えたのは1点。「どの球場のマウンドが合うか」だけ。そこで選んだのが本拠地の所沢でなく、当時は傾斜があり、硬いとされた東京ドームだった。

 ただ、東尾氏が若い投手に共通して言うアドバイスがある。「自分の体を大きく使って投げること」。バランスを意識し、おとなしい投球フォームになっている投手が多いという。「野手もあれだけフルスイングできる選手が多くなった。投手も同じ。体全体を使って投げる意識だけは失わないでほしい」。プロ入り前は150キロを超える球速を誇り、プロ入り後は体も大きくなっているのに、145キロ前後しか出なくなっている投手を見るたびに「悲しい」と嘆いている。(記者コラム・倉橋 憲史)

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