日本ハム栗山監督 令和初代王者へ清宮&輝星ら次代のスター育てる!

[ 2019年5月1日 05:30 ]

天然芝の野球場をバックに「令和」の色紙を持つ栗山監督
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 新時代の幕開けで誓った!日本ハムの栗山英樹監督(58)が新元号「令和」を迎え、改めて魅力あふれる選手の育成と野球の可能性の追求に意欲を示した。チームは開幕から26試合で12勝12敗2分けで西武と並び3位。新元号初の王者へ、次代を担う清宮幸太郎内野手(19)や吉田輝星投手(18)らも含めて一丸で頂点を狙う。

 ようやく春らしい陽気となった北の大地。いよいよ新時代の令和が幕を開けた。平成2年(1990年)の現役引退後もキャスターとして野球と向き合い、監督就任後も努力を重ねてきた栗山監督は北海道の自宅がある栗山町の「栗の樹ファーム」で改めて決意を新たにした。

 「令和は品があって、凜(りん)としているイメージ。そういう選手が令和にピッタリだと思うし、一人でも育ってくれると信じている」

 平成24年(2012年)の監督就任から8年目。「野球に正解はない」と試行錯誤の日々は続くが、根底にあるのは選手への無償の愛だ。代表例は二人三脚で二刀流に挑戦した大谷(現エンゼルス)で、メジャーの常識も覆す存在となった。今季は「栗山流オープナー」や極端な守備シフトなど、例年以上に常識にとらわれない采配を連発。各選手を輝かせるために頭を悩ませ、同時に野球の可能性も追求している。

 時代の節目で先人への感謝の思いも強くする。「明治時代にホーレス・ウィルソンが野球を伝えてくれ、野球害毒論(※)もあったけど、先輩らのおかげで昭和で野球が発展し、平成でさらに認められた」と振り返る。常々「野球への恩返しが自分の使命」と口にする指揮官は「令和でこれまで以上に野球が盛り上がるために尽力したい」と力を込める。

 現在、チームは勝率5割。ソフトバンクなど戦力が豊富なチームを下し、3年ぶりに覇権を奪回するためには単純に戦力に加わるだけでなく、プレーで周囲を勢いに乗せる「プラスアルファ」の存在が必要だ。開幕前の右手有鉤(ゆうこう)骨の骨折から復帰を目指す2年目の清宮、先発完投型のエースを目指すドラフト1位の吉田輝ら令和のスター候補生はまさにそんな存在。一丸で頂点を狙う。

 昭和36年(1961年)生まれの少年は巨人の黄金期を支えた王、長嶋に憧れ、野球に青春をささげた。栗山監督が見据えるのは野球界の未来だ。「子供の頃、プロ野球は格好良くて憧れだったし、夢や目標は自分に力をくれた。プロ野球はそうあり続けなければいけない」。野球の魅力を発信し続け、令和を担う次世代に引き継ぐ。(山田 忠範)

 (※)ホーレス・ウィルソンは1871年(明4)に米国から来日した第一番中学(東大の前身)の英語教師。生徒に野球を教え、全国に広まったとされる。野球害毒論は、あまりの野球熱の高まりが賛否を呼び、1911年(明44)に一部新聞が著名人の談話やアンケートを掲載するなど野球に対して行ったネガティブキャンペーン。

 ▽栗の樹ファーム 栗山監督は名字と同じ地名であることが縁で、98年から交流が始まった栗山町に約1万坪(約3万3000平方メートル)の敷地を購入。映画「フィールド・オブ・ドリームス」さながらの野球場を地元住民たちに協力してもらい、手作りで完成させた。内外野に天然芝を敷き詰めた夢のある球場に「栗の樹ファーム」と名付け、首都圏の小学生も参加する少年野球大会などで地元の子供たちと交流を深めている。

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2019年5月1日のニュース