巨人・原監督、1273日ぶり復帰1勝 打線組み換え、ゲレーロ3安打4打点

[ 2019年3月31日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人5―2広島 ( 2019年3月30日    マツダ )

監督復帰初勝利を挙げナインを迎える原監督(中央)(撮影・奥 調)
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 巨人は30日、広島を5―2で下し、開幕2戦目で今季初勝利。4年ぶり3度目の指揮を執る原辰徳監督(60)は前政権時代の15年10月4日ヤクルト戦以来、1273日ぶりの復帰白星となった。零敗した開幕戦から下位打線を組み替え、6番で今季初めて先発起用したアレックス・ゲレーロ外野手(32)が3安打4打点。4年連続で負け越している鬼門・マツダスタジアムで早くも勝った。

 上空に虹が出た。復帰初勝利を決めた直後、雨がやんだ。原監督が晴れやかにベンチから踏み出す。「1勝目のような感じがします。何勝かしてるんだけどね、覚えてない。初勝利だ!バンザイ」。開幕戦の雪辱に歓喜するナインを迎え、通算948勝目を挙げた還暦の名将は「新人」のように声を弾ませた。

 開幕4日前の25日。父・貢氏が眠る都内の墓を訪れ、墓前で手を合わせた。「僕の基盤をつくってくれた親であり、恩師であり、師匠。(開幕前のあいさつに)行ってきたよ」。父が監督を務めていた東海大相模に入学したのは74年。合宿所に飾られていた父の言葉「和と動」をチームスローガンにした。

 言葉通り、動いた。零敗を喫した前夜から、6~8番の下位を組み替えた。5日のオープン戦で4回無失点に抑えられた左腕・床田対策として、右打者中心で構成。6番で今季初先発起用したゲレーロが3安打4打点と、的中した。4回に先制の左翼線2点二塁打。6回にも中前2点打を放ち「大きいですね。非常にいい場面で打ってくれた」と称えた。

 昨秋からの動きが実った。国際部を通じてメールで課題に取り組む意欲を伝えた。2月1日のキャンプイン初日からマンツーマンで打撃指導し、目線を動かさずに体重移動するよう意識づけた。移籍1年目の昨季15本に終わった17年本塁打王を「30~40本は打てる」と信じ、再生に導いた。

 01年オフに監督初就任が決まると貢氏から教えを受けた。「辰徳、監督というのはいろいろ悩み事がある。しかし布団に入って、枕に頭をつけて考え事はするな。考え事をしたいなら部屋に電気をつけて椅子に座って考えろ」。自身の活力である「プラス思考」の原点。3度目の監督就任を決意し、思い出したのがその言葉だった。

 9回は坂本勇の2年ぶりの犠打を絡めて1点をもぎ取った。5回守備では自身初のリクエストで判定を覆した。4年連続で負け越し、13連敗もあった「鬼門」で復帰初勝利。「1がなければ2がない。今日の喜びというのも自分の中で糧としたい」。5年ぶりV奪還へ、新たな歴史をつくる。 (神田 佑)

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2019年3月31日のニュース