ハム村田“新旧ドラ1対決”貫禄の勝利 東京D初先発で古巣斬り3勝

[ 2018年6月1日 08:02 ]

交流戦   日本ハム4―2巨人 ( 2018年5月31日    東京D )

7回、ピンチを凌いだ宮西(左)を出迎える村田(中央)(撮影・三島 英忠)
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 日本ハムの村田透投手(33)が31日、古巣・巨人戦で6回0/3を4安打2失点で3勝目を挙げた。07年大学・社会人ドラフト1巡目で巨人入りも、1軍デビューすらできず、投げることすらかなわなかった東京ドームでの初先発で、プロ初登板初先発となった巨人のドラフト1位・鍬原拓也投手(22)との「新旧ドラ1対決」も制した。

 あの時は夢にも描けなかったマウンドに立った。オレンジに染まるスタンド。降り注ぐ大歓声。着ているユニホームは変わったが、熱い思いを白球に込めた。7回途中、2失点で3勝目。村田はヒーローインタビューで喜びを表現した。

 「素直にうれしい。援護点をもらってどんどん攻めることができた。これからもチームに貢献したいです」

 東京ドームは4月17日の西武戦で中継ぎで初登板したが、今回は古巣の巨人が相手となる先発登板。初回に1点を失ったが、2回以降はフォームを微調整した。3回1死二塁では右打者の内角に食い込む得意のツーシームで岡本、マギーを斬った。1番の坂本勇は3打数無安打、2三振。打線の軸に座る右打者に的を絞らせなかった。

 07年ドラフトで巨人に入団。一度も1軍昇格できずに10年オフに戦力外通告を受けた。打撃投手転身の打診を固辞して11年からメジャー挑戦も、米国の6年間はほぼマイナー生活。日本球界に復帰した昨年6月11日に札幌ドームで巨人から「日本初勝利」を挙げた際は、古巣への感謝の思いとつらかった米国の生活が脳裏に浮かび、お立ち台で号泣した。

 09年6月、2軍での好投が評価されて一度だけ東京ドームの1軍練習に合流したが、首脳陣の前でブルペン投球を行っただけで2軍に戻された。「当時は“どうせ1軍は無理やろ”と思ってました。グライシンガー、ゴンザレス、内海さんもいましたから」。あれから9年。斜に構えていた姿はない。33歳が米国仕込みの投球術で輝きを放った。 (山田 忠範)

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2018年6月1日のニュース