DeNA山下、涙のサヨナラ打 “ハマのムシキング”が大仕事

[ 2018年6月1日 05:30 ]

交流戦   DeNA4―3楽天 ( 2018年5月31日    横浜 )

延長10回2死二塁、山下がサヨナラ打を放ち勝利の輪の中で号泣、後ろから筒香が水をかける(撮影・篠原岳夫)
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 懸ける思いが、涙となった。延長10回2死二塁。9回から守備固めで途中出場したDeNA・山下は、ベンチで田中浩に「決めてきます」と宣言して打席に向かった。2ストライクからの3球目のチェンジアップを振り抜くと、打球は前進守備の右翼手の頭を越えた。4年目で自身初のサヨナラ打。号泣し、お立ち台では「もうしゃべれないです」と両目を拭った。

 「2軍では、1軍でヒーローになるつもりでやってきた。絶対に打ってやろうと思った。緊張が解けた瞬間、涙が出てきました」

 昨年7月26日の阪神戦、併殺で試合終了の場面で三塁ゴロを二塁に悪送球し、翌27日に2軍降格した。同9月28日の阪神戦も失策を犯して、翌日に2軍落ち。「チームに迷惑をかけた。凄くつらかった」と振り返る。

 今季は開幕直後の3月31日に1軍に昇格するも、出場機会がないまま2軍降格。今回は、不振で2軍落ちした倉本の代役として2カ月ぶりに1軍から声がかかった。2軍でともに汗を流した関根には「今回の昇格でだめだったら(野球を)諦めるわ」と伝えた。背水の覚悟は、1軍昇格即、今季初出場初打席での劇打につながった。

 サヨナラ打は国学院大4年生の時に、後に同僚となる山崎から打って以来。「康晃から打ったときも泣いてました」と笑ったが、10回に4番手で登板した山崎に、今季初勝利をプレゼントした。

 中畑前監督も「ムシキング」と呼んだ大の虫好きが呼び込んだ今季初のサヨナラ勝ち。チームは横浜時代の06年以来、12年ぶりの交流戦2連勝スタート。ラミレス監督も「泣くに値する活躍。良い涙だった」と称えた。 (重光 晋太郎)

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2018年6月1日のニュース