ソフトB九鬼 “打てる捕手”で常勝軍団の要目指す

[ 2018年2月10日 09:08 ]

NEWスター候補生=ソフトバンク・九鬼隆平捕手(19)

ソフトバンクの九鬼
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 「ナイスボール!!」

 ブルペンに元気な声が響く。主力がそろうA組で新加入選手を除けば唯一の抜てきとなった2年目捕手のソフトバンク・九鬼は、力の限り声を張る。「技術はまだまだなので、元気では若手らしくやっていきたい。必死にやるしかない」。毎日が勉強だ。

 熊本・秀岳館で一昨年春、夏と甲子園で連続4強入り。高校日本代表の4番・主将を務めた逸材だ。入団1年目は2、3軍戦で実戦経験を積み、将来の正捕手獲りへ下地を固めた。オフに鶴岡がFAで日本ハム、山下がトレードで楽天へ移籍し、2人の捕手が抜けて迎えたキャンプ。甲斐、高谷に次ぐ「第3の捕手」を4年目の栗原と争う。開幕1軍入りへ「狙っていかないといけない」と意欲的だ。

 7日のブルペンでは初めてバンデンハークの球を受けた。投球間に通訳を介して、約5分間やりとりした。「サインの確認やサインを出した後の構えるタイミングですね。バンデンハークから、こうしてほしいということも言われました」。先輩たちの球を受け、その特徴を頭に叩き込む。

 打撃フォームの改良にも着手。立花1軍打撃コーチから指摘を受け、力だけに頼っていたスイングを下半身と回転を使って「バットがしなるように打つイメージ」で振る。スタンスを少し狭めた結果、左足も自然と上がるようになった。「迷子になっていたけど、ようやく道筋が見えてきた」。目指すところは、打てる捕手。常勝軍団をさらに強くする潜在能力を秘めている。 (後藤 実穂)

 ◆九鬼 隆平(くき・りゅうへい)1998年(平10)9月5日、大阪府生まれの19歳。小5から野球を始め、中学時代は枚方ボーイズに所属。秀岳館では高校通算27本塁打。16年ドラフト3位でソフトバンクへ。昨季1軍出場はなく、ウエスタン・リーグ21試合で打率・256、3本塁打、9打点。1メートル80、81キロ。右投げ右打ち。

 《番記者寸評》1年目から勝負強さを見せた。ウエスタン・リーグ開幕戦にDHでスタメン出場すると、しっかり初安打&初打点をマークしてみせた。昨季、3軍で指導した吉鶴1軍バッテリーコーチは「1年間で体力はついた」。さらなる成長に期待大だ。

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2018年2月10日のニュース