メジャー帰りの選手に待つ苦難 青木はヤクルトの救世主になれるか

[ 2018年2月10日 10:00 ]

赤いバットでランチ特打をする青木
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 青木宣親外野手が古巣ヤクルトに復帰した。昨年96敗で最下位に沈んだチームからしてみれば、救世主としての期待は大いに高まる。一方で、メジャー帰りという輝かしい看板だが、いきなり期待通りの活躍というのはそう簡単ではないという見方もある。

 「WBCで打撃を見させてもらいましたが、やはり向こうの投手に慣れてしまっているタイミングの取り方をしているなという感じがしました。また日本の投手のタイミングに合わせる作業をしないといけない。早く慣れていくかどうかが大事だと思いますね」

 同じく古巣となるヤクルトを視察した侍ジャパンの稲葉篤紀監督は冷静にこう分析した。昨年3月のWBCでは打撃コーチと主軸として世界一奪還を目指した。古巣再建へ後輩への期待は、もちろん稲葉監督も高い。「経験豊富なので。当然プレーでもみせてもらいたいが、後輩たちにいろんなことを伝えながら、ともにヤクルトをしっかり強くしていってほしいです」と逆襲のキーマンに指名する。だからこそ修正の必要性とその難しさも口にしたのだ。

 04年新庄剛志(・278→・298)

 06年中村紀洋(・274→・232)

 09年井口資仁(・333→・281)

 10年城島健司(・309→・303)

 10年田口壮(・280→・261)

 11年松井稼頭央(・305→・260)

 11年岩村明憲(・311→・183)

 13年福留孝介(・294→・198)

 13年西岡剛(・346→・290)

 主なメジャー帰り野手の、メジャー移籍前年と復帰年の打率を比較した。ほとんどの選手が数字を下げ、輝かしい実績を持ちながら1割台に下げた選手たちもいる。国際大会で日本の野手が、海外投手のタイミングの取り方に苦しむ一方で、逆もしかり。特に青木はメジャーで6年間もプレーしただけに、染みついたものは先達に比べても大きく深い。

 「知らない投手もどんどん出てきている。最初は対戦経験がない投手ともやらないといけない。少し苦労もするんじゃないかと思います。ですが、彼には経験がある。しっかりと対応はしてくれると思います」

 もちろん、それらの対応を繰り返して、青木は日米通算2058本の安打を積み重ねてきた。稲葉監督もその経験と対応力を評価し、期待した。過去の例を見ても、決して活躍して当然ではないメジャー野手の国内復帰。あらためて青木の対応力が問われる。(記者コラム・後藤 茂樹)

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2018年2月10日のニュース