ヤクルトドラ7松本 立大時代は控え捕手 人に恵まれたプロ入り

[ 2018年1月28日 09:11 ]

18年版球界新士録=ヤクルトドラフト7位・松本直樹捕手(24)

将棋盤と駒を持参した松本。金の駒のような「守りの要」を目指す
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 2秒を切れば合格とされる二塁送球で、1秒8の強肩を誇るドラフト7位・松本は頭脳派捕手だ。幼少期は祖父と将棋の対局が日課。埼玉県戸田市の寮に入る際には、将棋盤と駒を持参した。

 「将棋の金は捕手っぽい。守りの要であり(攻めて)詰めるときはよく利く。飛車、角みたいに派手に動くのではないけど最後に頼りになる」

 3人兄弟の長男。「捕手」を「金」に例える姿からは冷静沈着な雰囲気が漂う。学生時代から文武両道の勤勉家で「僕は野球界でいうエリートではない」と言う。ヤクルト元監督の野村克也氏やOBである古田敦也氏の著書を読み、寮には経済書なども持ち込んだ。

 父・好裕さん(56)と母・美智子さん(52)は小学校の教諭。香川大付坂出中から県内屈指の進学校・丸亀を経て、指定校推薦で立大に入学。大学では控え捕手で、リーグでは無安打で卒業した。一般企業へ就職して「草野球かな」とも考えたが、社会人野球の強豪・西濃運輸に入社すると、自慢の守備力に加えて、16年都市対抗では準々決勝のJR九州戦で一発を放つなど、課題の打力も克服した。

 キャンプは1軍スタート。中村らの壁は厚いが脅かす存在になる可能性はある。好きな言葉は「縁の下の力持ち」。「いい時はいい。つらい時にどう考えてどう行動できるか。人を支えられる人間にならないと先はない」と強い心を持つ。

 「大学時代、つらいことが多くて野球をやめる直前までいった。同級生、周りの方の支えで続けることができた。西濃運輸に入る時も周りの人が動いてくれた。僕は人に恵まれている」。恩返しの気持ちを忘れない。神宮のグラウンドに帰って、成長した姿を見せる。 (細川 真里) =終わり=

 ◆松本 直樹(まつもと・なおき)1993年(平5)10月17日、香川県生まれの24歳。金山小2年から野球を始め、香川大付坂出中では軟式野球部。丸亀3年夏は県大会決勝で敗退するなど甲子園出場なし。立大では3年秋からリーグ戦出場も通算20打数無安打。16年西濃運輸入りし、16、17年都市対抗に出場。1メートル77、82キロ、右投げ右打ち。

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