金本監督「出してあげて」桑原球団史上最高アップを球団に推薦していた

[ 2017年12月8日 05:30 ]

桑原は大幅増で契約を更改し笑顔で会見する
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 阪神・桑原謙太朗投手(32)が7日、西宮市内の球団事務所で交渉し、800万円から3700万円増の年俸4500万円で契約を更改した。10年目で自己最多の67試合に登板し、セ・リーグの最優秀中継ぎ投手賞を獲得。金本監督から球団に対して異例の昇給推薦もあり、463%増は球団史上最高になった。(金額はすべて推定)

 他に契約更改予定の選手はなく、桑原のためだけの一日だった。球団事務所には10台近いテレビカメラが設置され、鳴尾浜の寮で若手と一緒に契約した昨冬とは一変。注目度の高さを物語る雰囲気を感じ取り、照れくさそうに笑った。

 「記者の方の数が多いです…。それが一番思いますね」

 来季年俸は3700万円増の4500万円。463%増は昨冬の原口(358%)を大きく上回る球団史上最高になった。7日までに更改した12球団の選手の中でもソフトバンク・上林(338%)を超えてトップだ。

 「思っていた以上に評価していただいた。(提示額を見た瞬間に)ありがとうございましたと言いました」

 10年目の今季は自己最多の67試合登板。今季の虎投手陣でも最多のフル回転だった。防御率1・51を誇り、43ホールドポイントでマテオとともに初の最優秀中継ぎ投手賞にも輝いた。谷本修球団本部長はリーグ2位の立役者となった好成績に加え、金本監督からの強い申し入れが大幅増の背景にあったことを明かした。

 「実を言うと監督からも“桑原には出してあげてくれ”という推薦もあったので、それを考慮して。球団としても思い切った額を出したつもりです」

 現場を預かる指揮官が一選手の契約について要望するのは異例中の異例。金本監督はシーズン中から「中継ぎがうちの一番の強み」と何度も称え、中でも中核を担った桑原の貢献度を認めていた。元をたどれば、移籍2年目で昨季を1軍未登板で終えながら戦力として残ったのは金本監督の強い推薦があったからだ。度重なる温情には来季もマウンドで報いるしかない。

 「今年の成績に負けないようにしっかりやっていきたい」。来季へ向けて防御率0点台を目標に掲げ、「なかなか難しいけど、それを頑張って成績を残せるように頑張りたい」と決意を新たにした。新たな武器としてフォークなど落ちる球の習得にも意欲。特に対戦防御率4・05で最も苦戦した巨人に対して「一番打たれたイメージ。対策をしていきたい」と誓った。(山本 浩之)

 ≪球団史上最高≫10年目の桑原(神)が年俸800万円から3700万円増の4500万円で更改。アップ率463%は16年オフの原口(358%)を上回る球団史上最高で、歴代でも11位の昇給率となった。上位10選手が大幅昇給した時のプロ野球在籍年数は、福盛(楽)が14年目、中村紀(中)が15年目で、いずれも米球界移籍を経て日本球界へ復帰。日本球界だけで10年目は04年オフに550%増だった嶋(広)に並ぶ遅咲きとなった。

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