阪神・秋山 球児超え273%UP 来季へ誓い“剛腕”になる

[ 2017年12月7日 05:30 ]

阪神・秋山は大幅増で契約を更改し笑顔で会見する
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 阪神の秋山拓巳投手(26)が6日、兵庫県西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、3000万円増の年俸4100万円(金額は推定)でサインした。8年目の今季は先発ローテーションの柱として25試合に登板し12勝6敗、防御率2・99とブレーク。来季は最大の武器である制球力に加え、真っすぐの力で抑え込む剛腕スタイルに変身することを誓った。

 「四球が少ないと守備のリズムも良くなるし、自分主導の投球ができるけど、その分ストライクゾーンに行く確率も高い。それを象徴するように今年は被安打(159)が多かった。被安打を減らしたい気持ちはあるけど、そこにこだわり過ぎて苦しくなるのも…。それを解決できるのは強い真っすぐかなと思っている」

 「精密機器」の呼び名を捨てるわけではない。ただ、さらなる高みを目指す秋山に必要なのは、精度よりもパワー。少々甘くても前に飛ばさせない剛球を身につけるため、あえてニュースタイルに挑む。

 1100万円から3000万円増で、年俸は4倍近くになった。アップ率273%は、優勝した05年の藤川の264%(2200万円→8000万円)をしのぐ大幅増。会見では「すごく良い評価をしていただいた」と満足感をにじませた一方で、来季の話に及ぶと表情を引き締めた。

 規定投球回に到達したリーグ投手で、16四球は最少だったが、9イニングあたりで許した安打を示す被安打率8・92はリーグワースト。ストライクゾーンに球が集まりすぎるのが弱点にもなった。より際どいコースに投げる制球力を磨くのも一つの手だが、秋山が選んだのは別の道。1メートル88、97キロの恵まれた体格を生かし、力でねじ伏せるストレートの習得に全力で取り組む。

 「上半身に頼って投げてしまうことがまだまだあった。キャンプから今にかけて、より下半身を使えるように努力しています。下半身主導でリリースに伝わるように」

 プロ8年目でやっと花開いた大輪。「苦労してきてたんで“頑張ってよかったな”と思えるような声をたくさんかけていただいている」と今季活躍の実感はある。それだけに、もう後戻りはしたくない。数字的な目標には「投球回数が今年159回1/3でしたけど、180回を目標に。そのためには(1試合)7回以上というのが絶対条件」ときっぱり。猛虎のエースへの道を、その太く力強い右腕で切り開く。 (山添 晴治)

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2017年12月7日のニュース