ダル完全復活!今季メジャー全投手最多の125球で3勝目

[ 2017年5月1日 05:30 ]

ア・リーグ   レンジャーズ6―3エンゼルス ( 2017年4月29日    アーリントン )

6回2失点で3勝目を挙げたダルビッシュ(AP)
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 レンジャーズのダルビッシュ有投手(30)が29日(日本時間30日)、エンゼルス戦で苦しみながら3勝目を手にした。15年3月の右肘手術後最多で、今季メジャー全投手の中でも最多となる125球を投げ、6回を3安打2失点、10奪三振。6回1死満塁で続投させた首脳陣の信頼に応えた。メジャー通算30度目の2桁奪三振をマークするとともに、同50勝に王手をかけた。

 ベンチは動かなかった。4―2の6回。ダルビッシュは先頭から2連続四球を与え、球数が107球に達していた。

 ダルビッシュ 試されているな、と。何とかアウトを取れるようにと思いました。

 1死後、また四球で1死満塁。117球だ。

 ジェフ・バニスター監督 彼がうちのエース。チームのため、自分自身のためにやり遂げなければならない夜がある。

 4回に安打を許したシモンズをスライダーで三邪飛、リビアを125球目の92マイル(約148キロ)直球で二ゴロ。ピンチを切り抜けると、大きく息をつきながらダグアウトに戻った。

 「あそこまで投げさせてもらえたということが凄く驚いた」。125球は今季メジャー最多。大リーグで開幕直後の4月に120球以上投げるのは異例で、トミー・ジョン(じん帯再建)手術を受けた投手なら、なおさらだ。過去8勝2敗と右腕が得意にするエンゼルス打線は待球作戦を敢行。「これまでで一番球数を投げさせた。だが自分も含め、ここぞで打てなかった」と相手主砲プホルスを悔しがらせた。

 一方、3ボールが12回あったダルビッシュは、相手以前に自身が本調子でないと感じていた。「ボールの状態は凄く良かったけど、微妙な制球が良くなかった」。内外角を広く使い、メジャー通算30度目の2桁となる10三振を奪ったが「三振はどっちでもいい」。ノーラン・ライアンの球団記録にあと4度に迫ったが関心を示さなかった。

 18日アスレチックス戦では6回途中、82球で交代を告げられた。その後、首脳陣に直訴し、23日ロイヤルズ戦で術後最多の113球を投げたが、今回はさらに増えた。「(左のエースの)ハメルズと同じように見てもらえているのは凄くうれしい」と意気に感じつつ「この前よりさらに怖い」と翌日の状態を心配。「次にトミー・ジョン(手術)になったら野球は終わり」と本音も漏れた。不安はまだ消えないが、完全復活へ首脳陣に応えた白星だった。

 ▽ダルビッシュの前々回&前回登板 18日アスレチックス戦で4失点した6回に82球で交代させられ、ダグ・ブロケール投手コーチに「内角を攻めないから(打たれて)つけを払ったんだ」と指摘された。21日にハメルズが107球で8回を投げたためダルビッシュは「何で俺は八十何球しか投げさせてもらえないんだ」と訴え、「僕もそれ(内角攻め)を絶対にやる」と約束。8回、120球程度まで我慢すると譲歩を引き出し、23日ロイヤルズ戦で8回113球を投げて2勝目を挙げた。

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2017年5月1日のニュース