ウルフ省エネ7回69球「9回まで?NOToo Old」

[ 2017年5月1日 05:36 ]

パ・リーグ   西武2―1ロッテ ( 2017年4月30日    メットライフD )

<西・ロ>力投するウルフ
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 2―0の8回のマウンドに、西武先発のウルフはいなかった。7回をわずか69球。100球以内で完封できるペースだったにもかかわらずだ。救援陣2人がリードを守り抜き、リーグトップタイの4勝目を挙げた36歳の助っ人は「9回まで?NO?Too Old(年を取りすぎている)!!」と笑いながら「うちのリリーフは素晴らしいからね」と信頼を寄せた。

 早いカウントから振ってくるロッテ打線をあざ笑うように、ツーシームとカットボールで球を動かし打たせて取った。21個のアウトのうち、ゴロアウトは1つの併殺を含めて14。2安打無四球の完璧な内容で、辻監督は「ウルフも年だからね。7回までよく投げてくれた」とねぎらった。試合時間は今季両リーグ最短の2時間10分。助っ人右腕は「これだけゴロを打たせれば早い展開になるよ」としてやったりだった。

 ソフトバンク時代の14年6月に右肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けた。1年以上投げられない状態だったが、昨年7月の西武入団後は無傷の8連勝と完全復活。「少しずつ手術前の感覚に戻ってきている」と手応えを口にする。日本ハム時代に同僚だったダルビッシュ(レンジャーズ)も15年3月に同じトミー・ジョン手術を受けた。ダルビッシュの通訳を務める佐藤英明氏が、当時の通訳だった縁もあり、現在も近況を報告しあう仲だ。

 そのダルビッシュはこの日復帰後最多の125球を投げて勝った。“省エネ投球”だった自身とは対照的な投球だが、ともに開幕から白星を重ねており「お互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながらやっていきたい」と力の源になっている。

 1分けを挟んで4連敗中だったチームを救った不敗の助っ人。「自分の勝利より、チームが勝てるようにやっていきたい」と優しくほほ笑んだ。 (馬渡 雄介)

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2017年5月1日のニュース