広島ドラ3床田 初先発で試合つくった3失点“持ってる”黒星免れた

[ 2017年4月6日 09:05 ]

セ・リーグ   広島3―3中日 ( 2017年4月5日    ナゴヤD )

<中・広>5回裏2死一、三塁、平田は中前適時打で同点とされた床田
Photo By スポニチ

 期待の新人が無限の可能性を示した。広島のドラフト3位・床田寛樹投手(22=中部学院大)がプロ初登板初先発。12球団一番乗りとなる新人としての初勝利はならなかったが、6回1/3を3失点と確実に試合をつくった。左腕の力投に応えるように打線も土壇場で同点に追いつき、試合は延長12回引き分け。赤ヘル先発陣に頼もしい若手が力強く加わった。

 確かな一歩を踏み出した。7回途中まで109球を投げ、9安打を許しながらも3失点の粘投。9回に味方打線が追いつき、敗戦投手を免れたのも何かを“持っている”証しだ。上々の内容でプロ初登板を終えた床田は余韻に浸っていた。

 「初回はすごく緊張したけど、2回以降は平常心で投げられた。直球の走りはよかったし、変化球を低めに投げ切ることができたのも収穫です」

 初回にいきなり先制点を献上。だが、直後の2回にエルドレッドの逆転2ランが飛び出し、ルーキーは勇気づけられた。「すぐに点を取ってくれたので、これはイケるんじゃないか…と」。素早い切り替え。おまけに屈託がない。床田の誇るべき長所だった。

 最速148キロの直球と110キロ台のカーブで緩急をつけ、スライダー、チェンジアップなどを低めに投じた。若さが出たのは勝利投手の権利を得る5回だ。「意識した。この回を抑えれば…と思った」。2死一、三塁のピンチで平田に浴びた同点打。2ボールからの直球が高めに浮いた。

 無欲無心で突っ走ってきた。今春キャンプ。ブルペンで大瀬良の投球を見て衝撃を受けた。「1軍にいるのは厳しい。でも自分は伸びしろ型。2〜3年後に必ず…」。そう自分に言い聞かせた。ただ、厳しめの自己評価とは逆に、首脳陣は右打者の内懐へ自然に曲がる直球と、安定した左腕の制球力に着目。開幕ローテーションに指名した。

 「最初は力んでいたけど、イニングを重ねるごとに自分のボールを投げられていた。いいものをたくさん見せてくれた」

 同点の7回、先頭・大島に左翼線二塁打から1死三塁のピンチを招いたところで、緒方監督は交代の断。それでも先発の役割を果たしたルーキーに温かい視線を向けた。

 「タイムリーの2本は少し甘かった。ボール球でいいところでストライクを取りに行き、ヒットを打たれた。ピンチでの投球が次の課題です」

 床田は前を向く。可能性を感じさせた初登板。次回がまた楽しみだ。 (江尾 卓也)

続きを表示

2017年4月6日のニュース