前夜“大荒れ”影響なし 秋山は荒れない!強気で7回途中1失点

[ 2017年4月6日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4―1ヤクルト ( 2017年4月5日    京セラD )

<神・ヤ>6回表2死一塁、山田の二盗を阻止する梅野
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 逃げることはしなかった。今季初先発の阪神・秋山が6回0/3、1失点の力投。開幕から先発陣が崩れる中、チャンスを手にした男が、1戦にかける思いを白球に込めた。

 「初回から緊張せずにいけた。(これまでは)ストライクを取りにいって連打されるケースがあったが、球数をしっかり使い、良い方向に出た」

 立ち上がりからヤクルト打線に向かっていった。前夜、藤浪の畠山への死球を巡って両軍入り乱れる乱闘劇に発展。山田、バレンティンと右打者の内角に抜ける直球が“伏線”となっていただけに、影響が及ぶことは予想されたが、臆することなく腕を振った。

 投球の軸に選んだのは直球だった。昨季まで、カットボール主体だった右腕の転機は、3月15日のオリックス戦(京セラドーム)だ。制球に苦しみ、カットボールに頼ったところをことごとく痛打され5回8失点。「自分の投球を見つめ直した」と原点回帰した。

 「自分でもびっくりするぐらい(直球の状態が)良かった」。3回1死一、二塁のピンチでは大引を直球で詰まらせて遊ゴロ併殺。カーブも織りまぜ、持ち味である緩急が生きた。

 1点リードの4回1死二塁でバレンティンに詰まりながら中前に運ばれ同点打を浴びたのも、初球から3球続けた内角への直球。「インコースは攻めれた。今後の対戦に生きる」と前を向けたのも、相手の主砲に真っ向勝負を挑めたからだろう。金本監督も「今年、先発したピッチャーの中で一番安定していて、何とか秋山に勝ちがついてほしかった」とたたえた。

 この日は父・正二さん、母・みゆきさんが愛媛から駆けつけ、スタンドから声援を送った。3日に53歳の誕生日を迎えた正二さんは「試合を作って良かった。よく頑張った」と声を弾ませた。

 「6回に点を取れなかった後に、簡単にランナーをためて、頑張らないと、という思いが空回りした。信頼されるために、そういうところを頑張っていきたい」

 昇格と降格を繰り返した過去の姿はもう無い。先発ローテーションの1人として力強く一歩を踏み出した。(遠藤 礼)

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2017年4月6日のニュース