逆転大地弾 打てば負けない13連勝 ロッテ5戦目初勝利

[ 2017年4月6日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ7―6日本ハム ( 2017年4月5日    ZOZOマリン )

<ロ・日>7回2死一塁、逆転となる右越え本塁打の鈴木(右手前)はベンチ前から右翼席のファンに向かって雄たけびを上げる
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 強い思いを乗せ、ロッテ・鈴木の打球が右翼席を埋めたファンのもとまで届いた。「まさか本塁打が出るとは。これでゆっくり寝られます」。主将の一振りが、開幕から勝利のなかったチームを救った。

 5―6の7回2死一塁。マウンドには過去5年間で12打数無安打に封じ込まれていた宮西がいた。スライダー2球で追い込まれながら、フルカウントまで持ち込んだ。「直球は引っかけていた。あの風でスライダーの方の意識を強く持った」。左翼から右翼方向へ風速8メートルの潮風に苦しんでいると察知し、スライダーを狙った。14年のキラ(広島)、パ・リーグでは08年松中(ソフトバンク)以来、左打者から本塁打を打たれていなかった「左キラー」を粉砕。自身が本塁打を放った試合は14年から13連勝となった。

 12球団で最も遅い「チーム1号」だ。昨年も開幕4戦目でチーム1号を放った背番号7は「この時期は僕、本塁打が出るんです」と笑った。パラデス、ダフィーの両外国人の間に座る5番打者。「ほかのチームの5番打者とは違うかもしれないが、色気を出さずに」。昨季まで5年間で通算20本塁打の男はつなぎの意識で打席に向かう。オープン戦で打率・340をマークした勢いそのままに、ここまで打率・444と好調を維持している。

 それでもチームは勝利が遠く、心は晴れなかった。開幕からの4連敗中は、打線が計6得点と低調だった。「みんな必死にやっている。でも結果を出さないといけない世界」。この日も一時は4点差まで開いたが、ひっくり返した。伊東監督は「本塁打を誰も打っていない中で、まさか大地が打ってくれるとは。人一倍、負けられない責任感の強い選手なので、そういうのが乗り移っていたね」と目尻を下げた。

 今季初めての勝利のハイタッチに、お立ち台。苦しんだ分だけ、鈴木の笑顔がはじけた。「連敗でルーキーに投げさせたくなかった。これで吹っ切れたと思うので、明るく元気を出してやっていけたら」。オープン戦首位となった勢いを取り戻し、ドラフト1位・佐々木のデビューマウンドにバトンをつないだ。 (町田 利衣)

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2017年4月6日のニュース