糸井超人特大3号!虎党待つ5階席にV弾ズドン「手応え完璧」

[ 2017年4月6日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4―1ヤクルト ( 2017年4月5日    京セラD )

<神・ヤ>7回2死一、三塁、決勝の3点弾を放つ糸井
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 文句なしのスーパーヒーローだ。阪神・糸井嘉男外野手(35)が5日のヤクルト戦(京セラドーム)で1―1の7回2死一、二塁から、特大の右越え決勝3号3ラン。豪快すぎるひと振りでチームの連敗を3で止めた。自身通算2度目の3試合連発で、開幕から5試合連続打点。加入早々から「超人」ぶりを存分に見せつけている。

 京セラドームが沸騰した。どこまでも飛んで行きそうな白球が、大歓声で着弾を待つ右翼5階席の虎党の元へ飛び込む。打った瞬間の最高の感触に、バット放り投げて両手でバンザイ。そのまま左手を下ろし、右手で一塁ベンチを指さしながら、糸井は格好良く一塁へ走り出した。

 「手応えは完璧。投手も頑張っていたし、あの場面しかないと思って振り抜いた。3連敗していたし、(前日は)乱闘とかもあって悔しい負け方をしていたんで、今日は絶対に負けなられないと思っていた」

 タテジマの背番号7が「ラッキー7」にヒーローとなった。1―1の7回2死一、二塁の第4打席。ルーキの153キロの剛速球をジャストミートした。初回の1点以降、なかなか点が入らなかった重苦しさを吹き飛ばす特大弾。後味の悪かった前夜の敗戦のダメージもひと振りで一掃させた。

 2日の広島戦(マツダ)、4日のこのカード初戦に続いて3試合連続でアーチをかけた。自身の3戦連発は、オリックス所属だった昨季の9月15、17、18日以来2度目。12球団でただ一人、開幕から5試合連続打点を継続中だ。

 1月に痛めた右膝の影響で春季キャンプは別メニュー。2日の広島戦では右肘に死球を受けて途中交代している。状態が万全なはずはないが、ゲームに入れば「超人」ぶりが全開だ。「初めての恋人」と熱烈なラブコールを送り、FAで獲得した金本監督も脱帽するしかなかった。

 「素晴らしいですね。それしか言葉がない。(自身の現役時代と比べ)いえいえ。僕と比べたら糸井くんに失礼。僕よりは全然、上です」

 球界屈指の選手となっても現状に満足せず、常に上を目指している。例えば道具。バットへのこだわりは強い。開幕直前のオリックスとのオープン戦中には、元同僚の中島からバットをもらい、練習で試し打ち。過去にも他の打者のバットと自分のバットを比較し、ベストの形を求めてきた。開幕からの好調ぶりの要因を聞かれても「好調とかそういうのはあまり気にしない。毎日、好調になれるようにしたい」ときっぱり言い切った。

 移籍後初のお立ち台。「阪神はどんなチーム?」と聞かれると、予期せぬ質問だったのか「えっ?」としばし絶句した後に「1番のチームやと思ってます」と人なつっこく笑った。頼もしく、格好良く、ちょっぴり天然な超人が、虎党を夢中にさせる。(山添 晴治)

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2017年4月6日のニュース