敬遠四球の“自動化” 選手からは懐疑的な意見も「戦術面に影響」

[ 2017年2月23日 15:40 ]

ブルージェイズのラッセル・マーティン捕手(AP)
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 メジャーリーグは今季から敬遠四球に関するルールの変更を決定。ベンチから監督が合図を出せば、投手が4球を投げなくても、打者を一塁へ歩かせることができるようになる。試合時間の短縮がその目的だというが、実際にプレーする選手はこのルール変更をどのように考えているのだろうか。

 ブルージェイズのラッセル・マーティン捕手(34)はこの敬遠四球の“自動化”に懐疑的。以下はカナダのスポーツ専門局「スポーツネット」(電子版)が22日に掲載したマーティンのコメントだ。

 「本当に試合時間を短縮したいのであれば、ホームランに目をつけた方がいいと思う。スローピッチソフトボールみたいにホームランを打ったら、打者はベースを一周しないで、ベンチに戻るのさ。その方がよっぽど試合時間短縮につながるよ。どれほどこのルール変更が重要なのだろうね。敬遠四球のない試合とかここ数年の記録を調べてみてはどうかな。ぜひとも知りたいよ」。

 ちなみに、昨季の敬遠四球は合計で932個あり、2・6試合に1個の割合。一方、ホームランは同じくシーズン合計で5610本も記録されている。確かにマーティンの指摘通りにすれば、試合時間短縮という目的は達成できそうだ。さらに選手視点のコメントは続く。

 「試合がスピードアップされると、救援投手がブルペンで肩を作る時間がなくなってしまう。コーチがマウンドに向かって投手と話すのは、会話が目的ではないこともある。あれはプルベンの救援投手に肩を作る時間を与えるためさ。走者の足を警戒する場面でもないのに、けん制球を続けるのも同じこと。ブルペンの救援投手のために、そうして時間を稼ぐ戦術もあるのさ」。

 敬遠四球で投じる4球もチームの戦術。マーティンはそう主張したいのだ。リーグ側はその4球を「無意味なもの」として排除したが、こうして見方を変えれば「意味あるもの」として捉えることもできる。

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2017年2月23日のニュース