菅野、WBCへ完璧予行!球数制限想定、省エネ3回33球0封

[ 2017年2月23日 05:30 ]

練習試合   巨人0―4楽天 ( 2017年2月22日    沖縄セルラー )

<巨人・楽>3回無死一塁、西田のバントを華麗なフィールディングで二塁へ送球しアウトにした菅野
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 3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2大会ぶりの世界一を目指す侍ジャパンの選手、スタッフが22日、宮崎市内のホテルに集結した。合流前に、巨人・菅野智之投手(27)は楽天との練習試合(沖縄セルラー)で今季初実戦登板を果たし、3回1安打無失点。球数制限のある1次ラウンドを想定し、わずか33球の省エネ投球を披露。先発が内定している第2戦のオーストラリア戦(3月8日、東京ドーム)に向け、完璧な予行演習となった。

 単なる調整登板ではない。WBCを想定した貴重な予行演習だ。1球も無駄にしない。菅野の思いが33球に凝縮された。

 「収穫は球数。3回で40球と思っていたけれど、だいぶ下回った。思い描いた通りだった」

 WBCでは球数制限があり、1次ラウンドは65球に設定。侍のエースはいかに少ない球数で打ち取るかをテーマに掲げている。2回に島内を中飛に打ち取ったシーンは、理想的だった。小林との「侍バッテリー」が初球に選択したのは、WBC用に習得した新球だ。

 「(小林)誠司と左打者には初球にチェンジアップでいけるシチュエーションなら使ってみようと話していた」

 低めの139キロのチェンジアップは打者のタイミングを外し、わずか1球で料理した。昨季打率・287をマークした島内も「バットを振るところまでは直球に見えた。力強いスイングができない」と驚く。その反応に、菅野も「狙った通り」と自画自賛した。

 2回には打者心理を読み切って、アマダーを三ゴロに仕留めた。「初球から内の(直球)2球を見逃したので、スライダーを狙っているようだった。打たせてとった方がいいなと思った」。4球目からスライダーを2球続け、6球目のカーブを引っかけさせた。

 3回の先頭・中川には右前打を許したが、続く西田のバントを自らのフィールディングで二塁送球してアウトに。伊志嶺はワンシームで遊ゴロ併殺。打者9人中、直球を決め球にしたのは1度だけ。打たせることを追求し33球中、空振りは1球もない。フライアウトもわずか1個。昨季は3回までに平均46・8球を要したが、尾花投手コーチも「1イニング平均で11球やろ。(WBCなら)6回まで投げられるな」と太鼓判を押した。

 イニング間のベンチ前でのキャッチボールも行わず「WBCではできないので、そこも想定しました」と説明した。実戦登板は3月1日の台湾プロ野球選抜との強化試合(ヤフオクドーム)を残すだけ。運命の「3・8」までに時間はわずかだが、首脳陣から調整を一任されながらも完璧なまでに準備を整えた。

 試合後、23日から強化合宿が行われる宮崎に移動した。「日本代表の本隊に合流するけど、自分のやってきたことをやるだけ」。世界一を目指す菅野の歩みには、ここまで寸分の狂いもない。(重光 晋太郎)

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