石井義人氏 BCから軟式へ指導者として新たな挑戦 いつかはNPBで

[ 2017年2月23日 10:00 ]

引退セレモニーで花束を手にする石井義人氏
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 打撃の職人が新たなチャレンジを決めた。巨人、西武などで活躍した石井義人氏が、今年から山形県南陽市にある「公徳会 佐藤病院」野球部で顧問を務めることになった。社員として公務にあたる傍ら、野球部で部員の指導に努めるという。

 「軟式野球と硬式野球は全くの別もの。だからこそ、自分にも新たな発見があると思いました」 12年には球団新記録となる代打率・404の活躍で、CSファイナルSのMVPにも輝き、原巨人の日本一に貢献。14年限りで現役引退し、15年から2年間は独立リーグのBCリーグ・武蔵で打撃コーチを務めた。武蔵は15年発足の新チームながら、その年の育成ドラフトで巨人に4人、中日に1人と計5選手を日本プロ野球(NPB)に送り出した。「教え子たちがNPBの世界へ向かう姿は見ていてたのもしかったし、充実感はありました」と振り返る。

 BCから軟式へ。指導の場を移し、教え子たちのNPBへのハードルはより高くなる。だが、昨秋のドラフトでもヤクルトが軟式野球チーム「相双リテック」の菊沢竜佑投手を6位で指名。28歳のオールドルーキーは今春のキャンプで注目を集めた。「軟式からでもプロ野球は目指せる。ぜひそういう選手を送り出したい」と石井氏。過去にも大野豊氏(出雲市信用組合出身)らプロで花開いた例もある。

 「公徳会 佐藤病院」の野球部は昨年9月、軟式最高峰の天皇賜杯に山形県代表として出場した県内屈指の強豪だ。国体には4年連続出場中。このオフには自ら武蔵時代に指導し、15年育成ドラフト2位で巨人に入団した小林大誠捕手も加わった。地元では冠名をいだいたスポーツ大会の開催や、野球教室なども開いており、地域密着のスポーツ振興も進める。

 軟式野球の指導経験はない石井氏は「バッティングが根本的に変わる」と思考を巡らせていた。よく言われているが、硬式野球出身者が軟式球を打つと、ボールがつぶれてしまいポップフライが続く。中身が空洞という軟式球の形状のためだ。「叩きつぶすダウンスイングではなく、より水平に近いレベルスイングが求められる。もしかしたら、少しすくうアッパー気味の方がいいかもしれない」と同氏。同時に「ボールに合わせたスイングを求める。投手のタイプや軌道に合わせたスイングを求めることにもつながる」と今までにないアプローチが、自らの指導の幅を広げることにも期待しているという。

 「またいつの日か、NPBのユニホームを着て指導者として戻りたい思いは胸の内にはあります」と話す。指導者としての階段は、まだ上り始めたばかり。縁もゆかりもないみちのくの地で新境地を切り開き、新たな肥やしとして球界へ還元していく考えだ。(記者コラム・後藤 茂樹)

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