マー君 WBC不参加正式表明 予備投手枠での参加も否定「ないと思う」

[ 2017年1月24日 05:30 ]

松井裕(左)と則本(右)が見つめる中ノックを受ける田中
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 ヤンキース・田中将大投手(28)が23日、Koboパーク宮城の室内練習場で自主トレを公開し、3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場しないことを正式に表明。故障リスクや調整の難しさなどを総合的に判断した。侍ジャパンの世界一を願いながら、メジャー4年目の右腕も昨季あとアウト1つ足りなかった200投球回を通過点とし、ピンストライプの「スーパーエース」として世界一を目指す。

 古巣・楽天の本拠地Koboパーク宮城の室内練習場。田中はキャッチボールから力強い球筋を描いた。変化球もふんだんに交ぜ、すでにブルペン投球も済ませたという。昨季は自己最多14勝を挙げた。3年連続開幕投手が有力視され、「ローテーションの先頭に立ち1年間戦い抜くという気持ちをしっかり持って戦いたい」とうなずいた。

 WBCは総合的な判断で不出場と決めた。3月の先発投手の出場は故障だけでなく、調整面などリスクが大きい。「いろんな状況を考えて。オファーをいただき大変光栄でしたが、全て考えると難しいなというのがありました」。新設された入れ替え可能な予備投手枠も「その話はしていないので“ない”と思う」とし、「いい結果を望んでいますし、日本が優勝する姿を見たいので」と神妙に祈るようだった。

 侍への思いを断ち、全力を注ぐ田中は「スーパーエース」としての活躍も誓った。昨季は初の大台へアウトが1個足りない199回2/3。「200では足りないし、絶対超えなきゃいけない数字」と大台を目標でなく、通過点とした。

 年間200投球回は大リーグでもエースの指標の一つだが、リーグを代表する「スーパーエース」には220〜230イニングが求められる。「球数が100球未満で降板した試合もあった。そこの信頼はまだされていない」と口を結んだ。

 「今の時点でこれだけ投げられることは、ここ数年なかった。順調に上げてこられている」。移籍騒動に揺れた13年オフ、右肘の不安や手術明けだった14、15年オフと違い、移籍後初めて納得できる練習を積んでいる。さらにワンランク上の次元へ、世界最高峰のレベルを田中はにらんでいる。 (後藤 茂樹)

 ≪日本投手最長は野茂228回1/3≫大リーグで昨季、200投球回を果たしたのは全30球団で15投手。220回を超えたのは6投手だけで、230回のプライス(レッドソックス)がトップ。ここ10年で最長投球回は08年サバシア(インディアンス→ブルワーズ)の253回。日本投手最長は96年野茂英雄(ドジャース)の228回1/3。なお、田中は楽天時代の200回超えは2度あり、11年に226回1/3、13年に212回を投げ、ともに沢村賞を受賞した。

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2017年1月24日のニュース