沢村賞、来季基準見直しへ 完投&投球回数引下げ、QS導入も

[ 2016年10月25日 05:30 ]

沢村賞を受賞したジョンソン
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 「沢村賞」の選考委員会が24日、都内ホテルで開かれ、広島のクリス・ジョンソン投手(32)が初受賞した。選考会後には、堀内恒夫選考委員長(68)が来季から選考基準を見直す可能性を示唆。投手の分業制が進み、「先発完投型」が減少傾向にあることから完投数と投球回数を引き下げる。さらに6イニング以上の投球で自責点3以内の先発投手に適用されるクオリティー・スタート(QS)率を参考基準として導入する方針を打ち出した。

 堀内氏の第一声が混迷した選考会を物語っていた。「5人で喧々囂々(けんけんごうごう)の議論になりまして。少し、私どもの想像しているより、成績的に低いかなということで意見が割れました」。最後はジョンソンで全会一致となったが「該当者なし」の意見も多かった。

 沢村賞の選考基準は(1)15勝以上の勝利数(2)150以上の奪三振数(3)10以上の完投試合数(4)2・50以下の防御率(5)200イニング以上の投球回数(6)25以上の登板数(7)6割以上の勝率。今回の候補者ではジョンソンと巨人・菅野の4項目が最高だった。

 山田氏は「リリーフ陣が充実しているチームは早めの継投に入るなどイニング数はクリアできなくなっている」と指摘。堀内氏は「来年の71回目(の選考)から少し、規定なり基準を見直す」と話し、今季両リーグで一人も到達者がいなかった完投数と投球回数の引き下げを示唆した。

 歴代受賞者は11年の田中(楽天)を最後に5年連続で完投数をクリアしていない。投球回数も最近5年で3人が基準未満。分業制が確立し「先発完投型」の投手が減った背景がある。現実的な参考基準として導入を検討しているのがQS率だ。6回以上、自責点3以下という条件のQS率は、先発投手の評価指針として近年は定着している。

 47年制定の同賞は、投手最高の栄誉として続いてきた。平松氏は「バッタバッタと三振を取るイメージ」。村田氏は「日本のプロ野球は沢村賞(受賞者)という大投手が夢と希望を与えてきた」と基準引き下げがレベル低下につながることを懸念した。「これから叩き台をつくって(セ・パ)両リーグ、コミッショナーの話を集約したい」と堀内氏。70年目の沢村賞が大きな過渡期を迎えた。

 ▽沢村賞 プロ野球史上初の無安打無得点試合を達成した伝説の大投手、故沢村栄治氏(巨人)を記念し1947年に制定。シーズンで最も優れた先発完投型の投手に贈られる賞で2リーグ分立の50年からはセ・リーグの所属投手だけが選考対象となり、89年から両リーグに拡大。選考基準は(1)15勝以上の勝利数(2)150奪三振以上(3)10以上の完投試合数(4)防御率2.50以下(5)200投球回以上(6)登板25試合以上(7)6割以上の勝率、の7項目。加えてチーム勝利への貢献度、連勝連敗、プロとしての品格なども選考に加味される。受賞者には金杯と副賞300万円が贈られる。

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