【キヨシスタイル】ないと思うけど…ファンをがっかりさせない打ち合い頼むぜ

[ 2016年9月27日 10:30 ]

前DeNA監督の中畑清氏

 初のCS進出を決めたDeNA。残り2試合がいずれもヤクルト戦(28日神宮、29日横浜)というのが少し気になっている。43本塁打、108打点で2冠に向けてひた走る筒香嘉智を追う山田哲人がいるチームなんだ。

 山田は38本塁打、100打点。ヤクルトはDeNAとの2試合の前後に阪神戦(甲子園)と広島戦(マツダ)を残している。計4試合。山田は固め打ちできるタイプだから5本、8打点は逆転できない差じゃない。

 だから…。ないとは思うけど、心配なのが四球合戦なんだ。

 忘れもしない1982年。打率トップの長崎慶一さん(大洋=現DeNA)を1厘差で追う田尾安志(中日)がシーズン最終戦となる大洋戦で5打席連続敬遠された。長崎さんは欠場。田尾は1厘差でタイトルを逃し、巨人もそのあおりを食った。中日は田尾の出塁を生かして快勝。中日が負ければ巨人の優勝だったのだ。84年には掛布雅之(阪神)と宇野勝(中日)が37本塁打で並び、最終の直接対決2連戦で互いに10打席連続敬遠。タイトルを分けた。

 タイトルを獲ったことのないヤツが何言ってんだと思われるかもしれないけど、みっともなくてさ。野球人として、こんなんでいいのかと思ってしまう。順位が決まれば、最後の楽しみはタイトル争い。対決を見に来ているファンから楽しみを奪う行為は絶対にあっちゃいけない。

 その場は批判されてもタイトルは一生残る。獲った者勝ちという考えもあるけど、その時代、その瞬間にファンを感動させて手にしたタイトルこそ価値がある。ファンファースト。最後まで勝負を避けることなく、力と力のぶつかり合いを見せてこそプロ野球だ。

 もうひとつ気になっていることがある。最終戦には今季限りで引退する三浦大輔がお別れ登板する。まだ2位の可能性が残っていた場合はどういう形にするのか。先発で打者1人、もしくは1イニング?長いイニングで勝敗を預けるのは酷だ。

 3位が確定していたらいたで、投手陣にとっては初のCSに向けて貴重な調整の舞台となる。9イニングをどう割り振るか。そのへんは大輔も兼任コーチとして気にしていると思う。CSを見据えた真剣勝負を大功労者の花道にしてもらいたい。 (本紙評論家)

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2016年9月27日のニュース