阪神 秋季キャンプに陸上・秋本氏招へい リーグ最少盗塁強化へ

[ 2016年9月27日 05:50 ]

 “助っ人コーチ”が来る! 阪神は秋季高知キャンプで元陸上競技選手で男子200メートルハードルのアジア最高記録保持者である秋本真吾氏(34)を臨時講 師として招へいすることが26日、わかった。走力アップが重要テーマの一つである今秋キャンプで北條、高山ら若トラを徹底指導する。また、今春キャンプで臨時講師を務めた「4スタンス理論」の提唱者であるスポーツ整体師の広戸聡一氏 (55)を招くことも決まった。

 金本阪神に頼もしい足のスペシャリストが加わる。10月下旬から始まる秋季高知キャンプで“臨時コーチ”を招へいすることが決まった。

 「陸上の方に(臨時講師として)来てもらう予定です。いいことは何でも取り入れたいと思っています」

 球団関係者が走力アップの切り札として陸上の専門家を招くことを明かした。「餅は餅屋」というわけだ。

 チームスローガンに「超変革」を掲げた今季はV奪回に失敗。就任1年目の金本監督は広い甲子園球場の特徴を十分に生かせる機動力野球を理想とした。しかし、機動力を計る指標の一つである盗塁数は現時点でリーグ最少、両リーグでも11番目の59個どまり。昨季の48個から上昇したとはいえ、3年連続でリーグ最少となりそうな寂しい状況だ。

 課題克服に、あらゆる手を尽くす。球団は「走り」を基本から見直すために元陸上選手でプロランニングコーチの秋本氏を招へいすると決めた。同氏は400メートルハードルを主戦場として活動し、2010年に男子200メートルハードルのアジア最高記録を樹立。12年に現役引退後はランニングコーチとして幅広く活躍している。プロ野球のオリックス、女子サッカーのINAC神戸レオネッサなどにもスプリント指導した実績がある。

 阪神は今秋キャンプから本格的な指導を依頼。主に若手選手を対象にして“集中講義”を実施してもらう方針だ。「北條、高山ら(若手)には走力を上げてほしい、という思いがある」。ある球団関係者によると、来季のレギュラー定着を期待される北條、高山らを強化指定選手に指名する。北條は目下6盗塁、高山は5盗塁と潜在能力を十分に発揮しているとは言いがたい。「超変革」を遂行し“走塁革命”に乗り出す。

 また同キャンプでは、日本オリンピック委員会(JOC)の強化スタッフを務めた「4スタンス理論」の提唱者でスポーツ整体師の広戸氏を再び招へいする。昨春の沖縄キャンプで臨時講師として数日間にわたって指導を受け、今秋も継続して依頼する。

 鉄は熱いうちに打て。今季の屈辱が現在進行形で生々しいうちに、来季巻き返しの手だてを講じる。選手のレベルアップのために、球団と指揮官をはじめとする現場サイドは意見交換している。金本阪神が逆襲へ新たな試みをどんどん実行に移す。

 ◆秋本 真吾(あきもと・しんご)1982年(昭57)4月7日生まれ、福島県大熊町出身。国際武道大大学院修了。400メートルハードルのプロ選手として活躍し、12年に引退後はスプリントコーチとして多くのスポーツ選手に走り方の指導を展開。200メートルハードルのアジア記録保持者。14年8月にスピードスケートと自転車で計3度の五輪に出場した大菅小百合さんと結婚。1メートル83、70キロ。

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2016年9月27日のニュース