松井裕“救援失敗0”目指す!マー君から教え「道具にこだわれ」

[ 2016年1月24日 06:11 ]

ブルペンで熱の入った投球を見せる松井裕

 守護神2年目を迎える楽天・松井裕樹投手(20)が23日、コボスタ宮城の室内練習場で自主トレを公開した。今月上旬から19日まで2年連続で合同自主トレ(場所は非公表)を行ったヤンキース・田中将大投手(27)の助言もあり、今季はスパイクの歯の本数にもこだわる意向。疲労がたまりにくい「脱力フォーム」も実現させ、2年連続最下位に低迷したチームを押し上げる。

 明るい表情で汗を流す松井裕の姿があった。昨年の同じ時期は先発で2桁勝利を目標としていたが正式に役割が決まっておらず、開幕前の3月に抑えに転向した。34球のブルペン投球を行った左腕は守護神2年目に向け「今年は明確に仕事が決まっている。40セーブ、救援失敗0、防御率0・75(以下)を目標にしたい」と意気込んだ。

 目標を達成する自信がある。合同自主トレを行った田中からは「もっと道具にこだわった方がいい」と助言を受けた。物持ちがよく、高校時代もプロでも野球用具はひとつの形にこだわってきた男にとって、偉大な先輩の言葉は心に響いた。

 着目したのがスパイクだ。昨季は球団新記録の33セーブ、防御率0・87を残したが、踏み出す右足の力が強すぎて「ブレーキ」となることがあった。体重移動がうまくいかず上体が後方に残り、左肘が前に出ないことで 制球を崩したのだ。ここまで使用しているスパイクの靴裏の歯の数は爪先に6、かかとに3だが、爪先を6から3に減らした右足用をメーカーに発注済み。土との摩擦力が減ることで体重移動もスムーズになる新スパイクは、2月のキャンプ中に手元に届く予定だ。

 ブルペン投球では、スパイクと同様に「脱力」を意識する一環で着手している新フォームも披露した。右足を上げた際、これまで胸の位置でキープしていたグラブを、へその位置でバウンドさせるように上下動させた。このフォームが固まれば肩の力を抜いたスムーズな投球が可能となる。「120%の力で120%の球を投げたら打者は打ちやすい。75から80%の力で120%の球を投げたい。そうすれば疲れもたまらずに連投もできる」と狙いを語った。

 最も強く意識する目標は「救援失敗0」だ。昨年は8月8日の日本ハム戦(札幌ドーム)で9回の1点差を守れず、唯一のセーブ機会失敗。「もう失敗はしたくない。開幕戦の9回に投げるイメージで練習してます」。田中は楽天時代の13年に24勝無敗と「失敗0」で球団初優勝に貢献した。大エースと共有した時間が、20歳を成長させている。 (山田 忠範)

 ★松井裕の昨年のセーブ機会失敗 楽天では8月8日の日本ハム戦の1度。9回2死三塁から代打・矢野に同点左前打を許し、試合は延長10回、3―4でサヨナラ負けした。他に同点からの登板で喫した2敗がある。侍ジャパンで出場したプレミア12では、11月19日の韓国との準決勝(東京ドーム)でセーブ失敗。2点リードの9回無死満塁から登板も、制球が定まらず押し出し四球。打者1人で降板し、直後に増井が李大浩(イデホ)に逆転2点打を浴びた。

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