掛布流“虎の穴”キャンプや!2軍は全員そろって練習開始復活

[ 2016年1月24日 06:48 ]

84年2月14日、安芸キャンプで宿舎付近の海岸で早朝の体操をする掛布

 掛布2軍は「超一丸」!阪神の掛布雅之2軍監督(60)が23日、高知・安芸で行われる2軍キャンプでは若手、ベテランの別なく、全員一斉に練習を開始する方針を示した。朝一番から全選手が揃って入念にウオーミングアップすることでケガ防止につなげる算段。自らの現役時に主流だった全員参加の全体アップを復活させ、有事の際にいつでも1軍に選手を送り込める態勢を整える。

 1軍の金本監督がブチ上げた「超厳格」に呼応したわけではないが、2軍キャンプにもテーマが掲げられた。それは言わば、「超一丸」。一日の始まりである大事な朝一番の動きに、掛布カラーが注入された。この日、所用で鳴尾浜球場を訪れた掛布2軍監督が、自らの口で指針を示した。

 「朝は早めに旅館を出て、トレーニングコーチの指示でストレッチ、体幹トレーニングなんかをやって、9時半くらいからみんなで練習させる。バラバラで出てくるのが嫌だったんだよ。ベテランがやったり、やらなかったりね。僕は一緒に出た方がいいと思う」

 「掛布2軍」は20年目のベテランも1年目の新人も、同じ時間、同じ場所で体を温め、練習を開始する―。まるでアマチュアのような全員参加の全体アップが、安芸市営球場のグラウンドで繰り広げられることになる。これはプロの世界では珍しい光景。プロでは基本的にベテラン、主力組には個別アップが認められる。だが掛布監督は、あえて「全体始動」を掲げた。それは、くしくも自らが現役時代と同様。1軍も安芸でキャンプを張っていた当時は毎朝、選手宿舎の駐車場で全員が揃って準備体操をしていた。その復活とも言える方針には、狙いがある。

 「アマチュア的な感じではないけど、まずはケガの防止ですね」

 トレーニングコーチの指導、そして監督を始めとした指導陣環視の下、全員でアップに取り組めば、手も気も抜くことができない。また指導陣側の視点に立てば、朝一番から全選手の状態を瞬時に把握できるという利点もある。それが、ケガ防止につながる。

 「僕も初めての経験だけど、その立場によって責任を持ってやるのがプロ野球。責任の裏返しというのは怖さ。いい意味での怖さを僕もコーチも選手も感じないと。1軍のバランスが崩れた時に常に選手を送り込めるようにやっていきたい」

 2軍の役割とは、1軍で欠員が生じた場合、即座に上が必要とする選手を供給すること。有事の際、2軍の候補選手も故障…では話にならない。そのためのケガ防止策の一環が、全員参加の全体アップというわけだ。

 前日22日には、金本監督が初日からの1、2軍入れ替えを視野に入れる「超厳格」な方針を示した。それを受け、「(2軍も)1軍で勝つための戦力ということ。それが金本監督の言う、同じ方向を向いて行こうということと思う。刺激になるよね」と掛布監督。1軍の勝利に貢献するため、「虎の穴」で鍛えた無傷の選手を1人でも多く送り込む―。それが「超一丸」だ。

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