王が投げ長嶋が打つ!歴史的ON初対決へ 名球会フェスタで実現

[ 2016年1月11日 06:10 ]

乾杯の音頭を取る名球会の王顧問

 ON対決実現だ。日本プロ野球名球会は10日、福岡市内のホテルで総会を開いた。11日にヤフオクドームで行われる「名球会ベースボールフェスティバル2016」では、対抗試合の始球式を王貞治顧問(75=ソフトバンク球団会長)が務め、打席には長嶋茂雄顧問(79=巨人終身名誉監督)が立つことが決定。野球界の発展を支えたONがメーンイベントを盛り上げる。対抗試合では伝説の名勝負も繰り広げられる。

 前夜祭の乾杯のあいさつで壇上に立った王顧問の声は力強かった。

 「頭の中は昔のままだが、肉体の方は変わっている。しかし、野球となるとガラッと気持ちが変わる。最大限、私のできる限りのことを尽くし、ファンの皆さまに恩返ししたいと思います」

 メーンイベントとして行われる名球会初の対抗試合。王顧問は試合に先立って、プロ野球界をともに支えてきた長嶋顧問を打席に迎え、始球式を行うことが決まった。「ぶつけないようにしないとね。楽しみだよ。ファンは期待に胸を膨らませてくるから…裏切ってしまうかも」と話したが、何より、王顧問自身が長嶋顧問との対戦を心待ちにしている様子だった。

 監督同士の対決は00年の巨人―ダイエーの日本シリーズがある。しかし、試合の中で投手と打者で真剣勝負をしたことはない。同じチームで切磋琢磨(せっさたくま)し、V9を成し遂げた。常に勝負の世界に身を投じてきた2人だけの空間。野球ファンにとっても、最高の時間になる。

 王顧問は昨夏の甲子園での始球式でストライク投球を見せた。この日の総会は欠席した長嶋顧問も、13年5月5日の国民栄誉賞授与式で愛弟子の松井秀喜氏を相手に、14年7月4日には400勝投手の金田正一氏を相手に打席に立ち、金田氏の球はバットに当てて遊ゴロを放った。04年3月に脳梗塞で倒れてから右半身に麻痺(まひ)が残る中で、左手一本で力強くスイングを繰り出した。山本浩二理事長も「ミスターはたぶん打ちにいくでしょう」とし「(ONの直接対決は)僕も見たことがない」と続けた。

 7回戦制で行われる対抗試合では「夢対決イニング」も設けられ「野茂VS清原」や「江夏VS王」という、かつての名勝負も再現される。山本理事長は「野球・ソフトボールは8月に東京五輪の正式種目入りが懸かる。ぜひとも盛り上げていきたい」。名球会にできること。レジェンドたちは本気だ。 (倉橋 憲史)

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