マエケン 開幕へ“本番”スライダー解禁、5回0封三塁踏ませず

[ 2015年3月15日 08:30 ]

<広・オ>5回無失点の好投を見せた先発・前田健

オープン戦 広島3-8オリックス

(3月14日 福山)
 本番モードを表していた。初回2死一塁。広島の前田健は4番・ブランコをスライダーで空振り三振に仕留めた。これまでの実戦で試してきた縦に落ちるスライダーとは違う。本来の横に曲がる「宝刀」を解禁した。

 「予定の5回を投げられたし、結果も内容も良かった。いい投球だったと思います」。3回にも1死一塁から平野恵をスライダーで二ゴロ併殺打に仕留めた。5回を2安打無失点。最速は146キロを計測し、3奪三振。三塁すら踏ませなかった。前回7日は27日の開幕戦(マツダ)で対戦するヤクルトが相手。「隠せるところは隠して」と全力で抑えにいかなかったが「今回はシーズンを見据え、相手打者に合わせた配球がしっかりできた」と振り返った。

 「懐かしい」と言った福山市民球場でのオープン戦登板。10年以来5年ぶりだった。10年は15勝で最多勝や沢村賞などタイトルを総なめにし、前田健にとって縁起がいい。しかも同球場のオープン戦では初めてチケットが完売し、1万3050人が集まった。元エースの黒田が8年ぶりに復帰し、24年ぶりの優勝へ気運が高まっている。

 今年から帽子のツバに「心」と書き込んだ。「メンタルが左右されると、いいパフォーマンスが発揮できない。今年は心の動きを少なくしたい」。昨年8月15日巨人戦(マツダ)。雨でぬかるむマウンドにいら立ちを隠せず3回6失点と炎上した。「そもそもがイラチ(関西弁でせっかち)で短気」と言う。だからこそ、去年の一件を反省し、何事にも動じない「不動心」をテーマに掲げる。

 2年連続5度目の開幕投手に向け、20日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で最終調整。エースは「ずっと状態はいい。不安なく開幕を迎えられるよう、しっかり調整したい」と力強く言った。

 ▼広島・緒方監督 あと1度投げて、しっかりと開幕戦で投げてもらう。開幕に向けて照準を合わせているし、問題ない。

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2015年3月15日のニュース