「元・回文芸人記者」が見るキャンプ、ソフトB編「うそ!?工藤独走!?」

[ 2015年2月2日 09:00 ]

渡辺記者(右)が書いたイラストを手に笑顔の工藤監督

 キャンプインとともに、新連載「キャンプ 上から下から」がスタート。「M―1グランプリ」2年連続準決勝進出の経歴を持つ元お笑い芸人で、野球記者1年目の渡辺剛太記者(34)が、持ちネタの回文(上から読んでも下から読んでも同じ音で、意味が通じる文)とイラストを持って各球団を直撃する。第1回はソフトバンク・工藤公康新監督(51)。

 すぐに「うそ!?工藤独走!?」という回文が思いついた。芸人時代のネタは「右手バテ気味」、「食った後アタック」、「やつ手だけ武田鉄矢」などの回文をほぼ2人で叫ぶだけ。ナックルボーラーばりの一本勝負の芸人だった。

 「お買い得」を下から読むと「くどい顔」だと気づいたのが回文にはまるきっかけだった。あるテレビ番組では「平原綾香さんでお願いします」というむちゃぶりに「よく平原弾くよ」とピアノを弾く絵を描いた。言葉を反対から読む癖は職業病だ。「工藤」と「独走」もすぐにつながった。

 工藤監督を直撃し、元芸人だと自己紹介した。「そうなの!?」と目を丸くして驚き、回文を見せると「絵も描いてるの?凄いね」と爆笑してくれた。ホッとした。

 今季のソフトバンクは独走V2を狙えるだろう。日米通算164勝の松坂と、昨季韓国で最優秀防御率と最多奪三振の2冠を達成したオランダ人右腕・バンデンハークが加入。さらに指揮官は「戦力を整えてくれたけど、下の選手が上の選手の一角を崩すくらいやってほしい」と期待する。

 強力打線に「悪いか!3割わんさかいるわ!」という回文も浮かんだ。なぜ少しキレているのかは分からないけど…。昨季は柳田、中村、内川、李大浩(イ・デホ)、長谷川の5人が打率3割をマーク。工藤監督は「内川のようにどこでも打てる選手が出てきたから、あんなふうになりたいと思う若い選手が出てくる」と満足そうだった。

 就任1年目に向けて「与えられた戦力で全力でV2を目指すしかないけど、底上げがないと長く強いチームであり続けることができない」と力を込めた。回文のように、下から上へ上がってくる若鷹にも注目したい。

 ▼回文とは 「竹やぶ焼けた(たけやぶやけた)」「確かに貸した(たしかにかした)」など、普通に読んでも、逆さから読んでも同じになり、意味が通じる文のこと。言葉遊びの一種。

 ≪まだまだあるぞソフト回文≫

 ▽「脱・松田」(だつ・まつだ) どちらかと言えば中距離打者のイメージがある松田。自己最多本塁打は25本(11年)だが、今季はヤフオクドームに「ホームランテラス」が新設され、本塁打が出やすくなった。初の30発を達成し、中距離打者・松田のイメージから脱却できるか。

 ▽「代打偉大だ」(だいだいだいだ) 平成でただ一人の3冠王・松中が代打に控える超強力打線だ。

 ▽「いい若鷹、中田かわいい」(いいわかたか、なかたかわいい) 昨季は開幕ローテーションのウルフ、寺原が長期離脱し、エース摂津も規定投球回数に到達しない中、中田は1年間ローテーションを死守。監督にとっては移籍2年目もかわいい孝行息子?

 ◆渡辺 剛太(わたなべ・ごうた)1980年(昭55)10月27日、東京都墨田区生まれの34歳。横浜国大在学中の03年1月に唐沢拓磨とお笑いコンビ「レム色」を結成。04、05年に「M―1グランプリ」準決勝進出。ネタ本も出版したが、08年3月に解散。09年4月にスポニチ入社。東京本社編集センター、福島支局勤務を経て、昨年10月にスポーツ部の野球担当になった。

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