阿部が変わった!新打法で3発、日米野球のドジャース・プイグお手本

[ 2015年2月2日 08:22 ]

新打法でフリー打撃を行う阿部。これまでと比べてグリップの位置を下げリラックスした構え

 捕手から一塁へコンバートされた巨人・阿部慎之助内野手(35)が1日、新打法でフリー打撃を行い、2連発を含む3本の柵越えを放った。3冠王に向けた2大改革は「リラックス」と「反動」――。様変わりした主砲の新打撃フォームを徹底解剖する。

 阿部は全く力むことなく胸付近にグリップを置いて構えた。脱力した状態で一気に振り抜いた打球は高々と上がり、右翼席に着弾。打撃改造の成果をいきなり証明した。

 「(構えは)一番リラックスできるところ。まあまあだね」

 最大の変化。それはグリップの位置が大幅に下がったこと。昨季までは地面に対して肩と肘がほぼ平行、前腕が垂直になるぐらいまで高く上げた位置でバットを寝かせ、揺らしながら構えていた。しかし、トップの位置が定まらず、力みからバットが遠回りする悪循環に陥り、不振に悩んだ。

 力みを省くために「シンプルさ」を追い求めた。昨年11月の日米野球でテレビ解説を務めた際、ドジャースのプイグに注目した。「無駄がない」。テークバックが小さく、最短距離でバットを出していた。メジャーを代表する強打者の動きも参考に、肘を軽く曲げて胸の前付近でグリップを置くように修正。バットも揺らさずに立て、ゆったりとした構えに変えた。

 上半身から「動き」を取り除いた分、下半身には「反動」を取り入れた。従来は軸足の左足に重心を置いていたが、右足に一度、重心を乗せてから左足に体重移動して、右足を上げる打ち方へ改造。「大きくタイミングを取ってスイングしないとボールは飛ばない」。高橋由や丸(広島)も同じような動きをしている。ステップを踏むことで、より大きな力を軸足にため込むことができる。

 この2大改造の連動こそ打棒復活への鍵となる。オフは打撃練習の際に真横から連続写真や動画を撮影して何度もフォームを確認。さらに、開幕直後から本塁打を連発した04年の打撃映像を繰り返し見て、左手首が早く返ってしまう悪癖の修正にも取り組んできた。

 屋外フリー打撃では、中盤に2本連続で右翼席に叩き込むなど、48スイングで3本の柵越えを放った。「数多く振り込んで、無意識の状態でできるようにしたい」。新フォームが固まれば、目標の「3割、30本」も夢ではない。

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2015年2月2日のニュース