ロッテ京大くん赤点デビュー…フォームばらつき自己採点「50点」

[ 2015年2月2日 05:30 ]

キャンプ初日からブルペン入りした田中は45球中、7回帽子を飛ばすなど頭のブレが気になるところ

 報道陣80人、テレビカメラ18台がブルペンを囲んだ。視線の先にいたのは、ロッテのドラフト2位・田中(京大)だ。捕手を立たせた状態での3球目。直球を投げ込むと、その反動でかぶっていた帽子が地面にポトリと落ちた。7球目からは捕手・吉田を座らせたが、全45球のうち、7球で帽子が宙に吹き飛んだ。

 「今まで感じたことのない緊張感があった。いいフォームで投げたいと意識したけど、どうしても力んでしまった」

 憧れのユニホームに身を包んでのキャンプ初日だったが、大学受験以上の緊張がフォームのばらつきを生んだ。33球を投げた直球は指に引っかかり、コースを外れる球が目立った。カーブ5球、スライダー3球、カットボール2球、フォーク2球と豊富な持ち球を披露したが、変化球もボールが先行した。本人が「50点ぐらい」と振り返るようにキャンプ初日は「赤点デビュー」になった。

 「大学時代に比べれば少なくなっている」と話すように、豪快に帽子を飛ばして投げるのは田中の昔からの癖という。しかし、プロの目は違う。それは体の軸がぶれている証拠。しかもロッテの帽子は、今季から頭にフィットさせるために内側をゴム素材に変更していた。それでも飛んだ。伊東監督は「ゴムで落ちにくいはずなのに…。余計な体の動きをもう少し抑えられれば。力が入るのも仕方ない。あんなに見られて投げるのは初めてだからね」と感想を口にした。

 その一方で、持ち味も発揮した。指にかかった時の直球は切れがあり、低めにきっちりと投げ込めた。腕の振りと投げっぷりの良さは首脳陣が口をそろえて絶賛した。「この世界でやれる球はあった。“いい田中”と“まだまだの田中”の両方が見られたね」と落合投手コーチ。最初にぶち当たった緊張と力みという問題点をどう解決していくのか。秀才右腕の頭脳の見せどころだ。

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