金子熱投が逆転6点呼んだ!最多勝確定16勝3冠手中に

[ 2014年10月1日 05:30 ]

<楽・オ>さあ決戦の福岡へ。ベンチ前で16勝目のウイニングボールを平野佳(右)から渡され握手する金子

パ・リーグ オリックス7-3楽天

(9月30日 コボスタ宮城)
 エースの熱投が連夜の逆転勝利を呼び込んだ。オリックス・金子千尋投手(30)は30日、楽天戦で7回3失点に抑えて16勝目。リーグトップの勝ち星を伸ばし、防御率(1・98)、奪三振(199)と合わせ、投手3冠を手中に収めた。これでチームは首位ソフトバンクにゲーム差なし、勝率でも1厘差に肉薄。2日のソフトバンクとの直接対決に勝てば、18年ぶりの優勝へのマジックナンバーが「1」で再点灯する。

 だからエースと呼ばれるゆえんなのだろう。金子が9安打を浴びながらも7回を3失点にまとめ、逆転優勝に向けて流れを引き寄せた。

 「先に点をやらないことはいつも意識している」という右腕。だが、この日はそれを許してしまう。2回に9番島内の適時打で2点を失い、味方が逆転した直後の4回にも1点を奪われた。「自分の中でイライラしていた」と3者凡退はわずか一度だけ。3回以外は毎回得点圏に走者を背負った。

 「正直、よく3点で粘れたなと思う」というマウンドだったが、負けられないという重圧の中で試合をつくれるのが勝ち星でリーグトップを走る右腕の力だ。「個人的なことと関係なく、まずはチームが勝つことが大事だった」と振り返った。

 登板日が急きょ変更された調整の難しさもあった。当初は2日のソフトバンク戦に先発予定だったが、チームが9月26日の西武戦からまさかの3連敗。土俵際に追い込まれたことで、2日前倒しでマウンドに上がった。今季ここまで楽天戦は5戦5勝。通算でも21勝3敗の相手にエースを投入することで、チームは「確勝」を期した。

 同22日の練習日。金子は「その試合でケガをしてもいい、という気持ちで僕は投げている」と心中を明かした。冷静沈着で無機質なイメージがあるが、実は誰よりも熱い男なのだ。

 2日、福岡でソフトバンクと雌雄を決する戦いが待つ。「きょう勝って挑む方が流れはいい」と金子。次回先発はレギュラーシーズン最終戦となる6日の楽天戦(コボスタ宮城)が予定されているが、先のことは関係ない。10・2決戦に向けて「どこでも投げる準備はしていく。チーム一丸で臨むことで勝つ確率も上がる」と、中1日でブルペン待機しての救援登板を志願した。森脇監督も「(この2試合は)非常にいい反発力と集中力が見えた。(2日も)ワンプレーに悔いを残さないように挑みたい」。勝てば優勝へのマジックナンバー「1」が再点灯。相手は5連敗中。「次もやったるぞっ!」とベンチ裏に響いたキャプテン・坂口の声。勢いは連勝で息を吹き返したオリックスにある。

 ≪オリックスVの条件≫オリックスが勝ち、首位ソフトバンクとゲーム差なしに迫った。オリックスは2日のソフトバンク戦に○なら1ゲーム差の単独首位に立ち、マジック1が再点灯。4、6日の楽天戦2試合に1勝か1分けが条件で、早ければ4日に優勝が決まる。ソフトバンクに△ならゲーム差なしの2位のまま、M2が再点灯。優勝には楽天戦で2連勝か1勝1分けが必要となる。

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