マー君22連勝タイトル総ナメ確実 奪三振もトップ4冠

[ 2013年9月22日 06:00 ]

<日・楽>日本ハムに勝利し、田中(右)とタッチを交わす星野監督

パ・リーグ 楽天7-3日本ハム

(9月21日 札幌D)
 無敗のまま優勝だ!楽天の田中将大投手(24)は21日、日本ハム戦で8回4安打1失点と好投。ともに自身が持つ「世界記録」の開幕からの連勝を22、昨季からの連勝を26に更新した。シーズン22勝は球団新記録で、80年の日本ハム・木田勇以来33年ぶり。3回に今季14度目の満塁機で初めて安打を浴び先制点を許したが、4回以降は安定感抜群の内容だった。優勝マジックは1つ減り6。最短で24日に球団創設9年目の初優勝が決まる。

 ヒーローインタビューを終え、右翼席の楽天ファンにあいさつを済ませた田中がベンチに引き揚げようとした時だ。札幌ドームは大きな拍手と歓声に包まれた。敵も味方も関係ない。駒大苫小牧時代を過ごし、まい夫人の実家もある北海道は「第二の故郷」。背番号18は日本ハムファンからの祝福に、帽子を取り、手を振って何度も応えた。

 無傷の開幕22連勝。しかし「調子は良くなかった」と言う。序盤から制球に苦しみ3回は2死満塁で陽岱鋼(ヨウダイカン)に遊撃内野安打を許した。今季はそれまで13度の満塁機で無安打に抑えていた。153キロの直球で押し込んだが、打ち取った当たりが高いバウンドで内野安打となり先制点を許した。

 ただ「そうなる(ピンチを招く)ことを予想していた」から浮足立つことはない。続くアブレイユを抑えて最少失点で切り抜けると、「走者を置いての長打など、やってはいけないことを考えて球種を選択した。打線もすぐに逆転してくれたので切り替えやすかった」と4回以降に許した走者は2人だけ。「珍しく良かった」というスライダーを軸に8回を4安打1失点に抑えた。

 球団記録だった08年の岩隈(現マリナーズ)、指導者として尊敬する佐藤投手コーチが85年に阪急で記録した21勝も超えたが「連勝や勝ち星は、自分ではどうすることもできない。野手の方々のおかげ」と感謝の言葉を繰り返す。奪三振数も8個を加え、オリックス・金子に並ぶトップタイの171。勝利数、勝率、防御率などパ投手の主要タイトルを総なめにする勢いで、MVP、ゴールデングラブ、沢村賞なども手にすることは確実だ。

 マジックは1つ減って6。球団創設9年目での初優勝は目前だが、前日には「いつも通り。だって頑張って投げてマジックが4つも5つも減るわけじゃないですよね」と語った。プロで優勝経験はない。それでも08年北京五輪、09、13年はWBCに出場するなど数々の修羅場を経験しているエースは普段通りに準備を怠らず、当たり前のように白星を積み重ねた。

 この日から10月1日まではビジターが10試合も続く。その初戦をエースがしっかり取った。「早く優勝を決めましょう。一日でも早く」。疲労はたまっている。それでもマウンドに上がればチームの勝利のために全力で右腕を振る。最短Vは24日。全てが報われる歓喜の瞬間まで、あと少しだ。

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2013年9月22日のニュース