阿部 出場直訴し“優勝捕手”に!「元気な姿を見せたかった」

[ 2013年9月22日 21:57 ]

<巨・広>優勝の瞬間、西村(左)と跳び上がって喜び合う阿部

セ・リーグ 巨人2―1広島

(9月22日 東京D)
 巨人の主将・阿部が、勝利を決めマウンドに駆け寄り、西村と抱き合った。試合開始直後に優勝の決まった巨人のファンが、何よりもうれしい瞬間だった。

 異変が生じたのは前日だった。阿部は、試合開始直前に背中の違和感を訴え、欠場。その後病院で診察を受けた結果、右脇腹から背中にかけての帯状疱疹と診断された。ベンチ裏で静養した。「呼吸困難になりそうだった」と語るほどの痛み。この日も練習には参加せず、ベンチで試合を見守った。

 今年はWBCで侍ジャパンの主将、4番、正捕手という一人三役を任された。チームに戻っても連覇の重責を背負いながらチームを引っ張ってきた疲労が、知らぬ間に積み重なっていたのだろう。

 優勝が決まった瞬間には、ロッカールームのテレビで確認し、握手を交わして喜びを分かち合った。8回に先頭打者として代打で出場すると、球場に詰めかけた観衆から、割れんばかりの歓声と拍手が上がった。初球を一塁へのライナーで倒れたが、そのままマスクをかぶり、歓喜の時を迎えた。原監督の胴上げは、輪の一番外で見守ったがファンに元気な姿を見せていた。

 原監督は「慎之助はチームの誰よりも強い柱、まとめ役だった。本人の希望で『使え』とのことだったので、本人の意を汲んで、自分もファンの一員として、彼のプレーで締めくくるというのは願うところだった」と出場の理由を説明。代打がコールされるまでベンチを出るな、という“演出”もするほどだった。

 阿部も「(代わりに出場した)加藤に申し訳ないという気持ちもあったが、少しでも元気な姿をファンの皆さんに見せたいな、という気持ちがあったので、出場を直訴しようと思っていた。使ってもらえて感謝している」と語り「これからもっと大事な試合があるので、体調を整えて活躍できるようにしたい」と、今度は40年ぶりの日本一連覇への活躍を誓っていた。

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