エル14打席連続無安打も…替えの助っ人は体調不安

[ 2013年7月7日 06:00 ]

<広・神>険しい表情で試合を見つめる野村監督

セ・リーグ 広島2-3阪神

(7月6日 マツダ)
 広島は6日の阪神戦(マツダ)でも打線が振るわず、3連敗で今季最悪の借金11に舞い戻った。7回に堂林が左前適時打で39打席ぶりに打点を挙げたのが精いっぱいの抵抗。4番降格の可能性が取りざたされていたエルドレッドも14打席無安打と精彩を欠きながら代役は見当たらず、野村謙二郎監督(46)は苦悩の色を隠さなかった。

 3連勝後の3連敗で反転の気運はしぼんだ。再び今季最多の借金11を抱えた野村監督は声を絞り出した。「いい投球をしても台無し。もったいない」。均衡が崩れた7回の3四球を嘆いた。もちろん責めを負うのは大竹だけではない。投手陣に過剰な重圧を強いる遠因は低調な打線だった。

 「打てていないことが原因だから」

 野村監督も分かっていた。約1カ月ぶり1軍登板だった榎田に対して6回まで散発2安打。二塁すら踏めなかった。「選手は頑張っている。我々もアイデアは出しているけど、相手が上回っている。上回れるようにやっていくしかない」。前日5日の敗戦後に起用法の見直しに触れたエルドレッドを変わらず4番で送り出したが、2三振を含む4打席に好転の気配は感じられず、無安打の停滞は14打席まで伸びた。

 起爆剤の必要性を分かっていても打てる手は少ない。野村監督は打ち明ける。「2軍で調整している外国人は1人は足を痛めていて、もう1人は肩が痛くて試合に出始めたばかりだから」。故障の詳細は伏せたが、前者がニック、後者は新外国人キラを指していた。期待の新助っ人も1軍デビュー前に体調不安を抱えていては容易に入れ替えにも踏み切れない。

 「こっちが駄目だから簡単にあっちというわけにはいかないことは説明しておきます」

 苦悩の色は濃くなるばかりだ。新井打撃コーチも「栗原がいいという話も来ていない。他にいない」とエルドレッドの4番継続を示唆。打開策を練るにも持ち寄る材料に乏しいのが実情だ。

 一方で混戦の3位争いから抜け出すチームがまだ見当たらないのは幸いだ。“4弱”からの脱出には現布陣の奮起しかない。7回、唯一の得点は堂林が叩き出した。先月23日のヤクルト戦でのサヨナラ弾以来、39打席ぶりの打点。精いっぱいの抵抗だった。直後のけん制死への反省と悔恨から本人は試合後は真一文字に口を結ぶ。いまは雲間から差し込む光に手を伸ばそう。

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2013年7月7日のニュース