キヨシ初めて東京ドームで勝った!「監督が感動ですね」

[ 2013年7月7日 06:00 ]

<巨・D>試合後に東京ドームで勝利し、ファンに帽子を振る中畑監督(左)

セ・リーグ 巨人3-4DeNA

(7月6日 東京D)
 中畑DeNAもついに梅雨明けだ。1点を追う9回に1死満塁とすると、荒波翔外野手(27)の右翼線二塁打で2点を奪い逆転。11年から続いていた東京ドームでのチームの連敗を12でストップするとともに、横浜からDeNAになった昨季から指揮を執る中畑清監督(59)はかつての本拠地で就任後初勝利を挙げた。

 暗黒の歴史に終止符を打った。9回の劇的な逆転勝利で、就任後、東京ドーム初勝利。中畑監督は「(勝っていないから)場所が分からなかったよ!」とインタビュールームでおどけた後、喜びを爆発させた。

 「うちのチームのできることを最大限やってやっと、やっと勝つことができた。監督が感動ですね。横浜ファンのみなさん、お待たせしました!これでしばらく東京ドームで勝てないって言われないでしょ。ガハハ!」

 信念を貫いた采配が実を結んだ。1点を追う9回1死満塁。打者はこの日3三振で直球に振り遅れが目立っていた荒波だった。150キロ台の直球を投げ込む剛腕・マシソンには分が悪いようにみえる。ベンチにはラミレス、金城の代打要員も残っていた。だが、指揮官は「あいつを代えようなんて一切思わなかった。俺も通った道だけど、お金も取れる選手にならなければいけない。必ず打ってくれると信じていた」と腕を組んで立ったまま動かなかった。

 荒波はいつもより人さし指2本分以上バットを短く持ち、151キロの内角直球をはじき返した。右翼線を破る逆転の2点適時二塁打。「あんなに短く(バットを)持ったのは記憶になかったけど期待に応えたい、何とかしようという気持ちだけだった」と笑った。

 現役時代を巨人一筋で過ごした指揮官は古巣への思いをすべて断ちきり、昨年DeNAの監督に就任した。だが昨季は巨人戦通算4勝17敗3分け。東京ドームでは屈辱の9敗1分けだった。「悔しかった。酒を飲んでも眠れないんだよ。悔しすぎて」。今年は遠征先でファンに「ジャイアンツの中畑さんだ」と声を掛けられた時「俺はもうジャイアンツじゃない。DeNAの中畑なんだ」と真顔で返した。「巨人戦になると監督に近寄れない緊張感が漂っている」と選手が口をそろえるほど打倒・巨人に燃えていた。

 まだ今季の巨人戦対戦成績は2勝8敗。借りはたくさん残っている。「あすはサンデー(三浦)大輔。勝って(東京)ドームを去りたいね」。憑(つ)きものが取れた指揮官の顔は自信に満ちていた。

 ▼DeNA中村(9回に代打で途中出場も頭部死球で倒れ込む)脳振とう。大丈夫だと思って(走者で)出た。勝てて良かった。(7日の出場も)大丈夫です。

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2013年7月7日のニュース