早ければ16年メジャー昇格 加藤、長く過酷な挑戦スタート

[ 2013年6月23日 07:41 ]

<ルーキー・リーグ ヤンキース・パイレーツ>3回無死一塁、クリス・ディアスの併殺打を遊撃・タイラー・ウエイド(左)との息もピッタリに処理する二塁・加藤

ルーキーリーグ ヤンキース6―4パイレーツ

(6月21日 タンパ)
 ヤンキース・加藤の長く、過酷な戦いが始まった。今年のドラフトは1216人が指名されたが、メジャーに昇格できるのは1割程度。多くの選手がマイナーで野球人生を終える。しかし、首脳陣は「ヤンキースが2巡目指名権を使って、高校生の内野手を指名することはめったにない。それは潜在能力が高いということ。攻守に凄くいい選手だと聞いている」と話す。

 事実、今年のドラフトで二塁手は40人指名されたが、加藤は高卒ながら最上位の全体66番目。技術的にも成熟していない高校生を上位で指名することはリスクを伴うが、ヤ軍はスターになる可能性があると判断した。

 特に「ミドルインフィルダー」と呼ばれる二塁手と遊撃手は、ヤ軍のカノをはじめ、身体能力に優れた中南米出身者が現在のメジャーを席巻している。これまでの日本人選手を見ても、二塁手は松井稼、井口、岩村らがある程度の実績を残したが、遊撃手は苦戦。今季アスレチックスと契約した中島は3Aにとどまっている。ヤ軍は加藤の遊撃手としての適性も見極めたい考えで、米国育ちらしい巧みなグラブさばきは「将来のゴールドグラブ賞候補」とのリポートも上がっている。

 それでも、ち密なプレーが求められるミドルインフィルダーの場合、メジャー昇格には時間がかかる。大学出身のドラフト1巡目クラスでも早くて3年。高卒では、加藤と同じ2巡目指名で入団したレッズのオールスター二塁手フィリップスが4年で昇格したが、通常は順調にいっても5~6年はかかる。ヤ軍は正二塁手のカノが30歳と年齢的にも若いため、加藤はじっくり育てる方針だ。1、2年はルーキーリーグと1Aで体力面を強化し、3年目は2Aで技術を磨く。早ければ4年目の16年にメジャーという青写真が浮かび上がる。

 ▼トム・ニート監督 スイングスピードも速いし、打席でのアプローチやストライクゾーンも知っている。素晴らしいものを見せてくれた。(今後のプレー機会は)あすは7~8イニング出場する。週明けには9回出るよ。(次のリーグへのステップは)若いから辛抱強く育てる。まだ学ぶことは多いが、彼はやるべきことを分かっている。

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