村中 甲子園の連敗ストップ、阪神に5年ぶり白星

[ 2012年7月16日 06:00 ]

<神・ヤ>2失点完投の村中(左)は好リードの中村とハイタッチ

セ・リーグ ヤクルト5-2阪神

(7月15日 甲子園)
 ようやく甲子園でヒールになれた。やっと過去と決別できた。ヤクルトの村中が5連敗中だった聖地でプロ初勝利。しかも阪神には7連敗中で、08年7月28日(神宮)以来の白星だ。今季初完投のおまけも付いた左腕は「勝てなかったのは分かっていました。でも途中から変化球も良くなって直球が行きだした。勝ちに貢献できてうれしい」と笑った。阪神ファンのため息が心地良かった。

 初回に先制点をもらいながら、その裏に新井、金本の連続犠飛で2失点。逆転を許す嫌なムードの中で粘った。最速146キロの直球にフォーク、カーブ、スライダーと、変化球が徐々に低めに決まりだす。2回以降は無失点。小川監督も「途中からバランスが良くなった」と称えた。

 川端、松井淳、比屋根。刺激し合える25歳の同い年が、これだけ多く1軍に顔をそろえるのは初めての経験だ。特に05年ドラフト組の川端とは、都内の自宅が近隣とあり2人だけで食事に出掛ける事も多い。ドライチ4兄弟(他に増渕、由規、赤川)の長男だが、本音を言える心の友の存在に安らぎを覚えている。

 「力んで高めに抜けていたのを、ゆったり投げるようにした」。修正して2回以降の変身した村中こそが、本当の姿だ。価値ある5勝目。これからは、この男が虎退治の急先鋒(せんぽう)となる。

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2012年7月16日のニュース