イチロー500二塁打!日本人初快挙にも「解析しづらい」

[ 2012年5月22日 06:00 ]

ロッキーズ戦の3回、二塁打を放ち二塁ベースに滑り込むマリナーズのイチロー。日米通算500二塁打を達成

インターリーグ マリナーズ6-4ロッキーズ

(5月20日 デンバー)
 天才打者がまた1つ、金字塔を打ち立てた。マリナーズのイチロー外野手(38)が20日(日本時間21日)、ロッキーズ戦の3回に右中間二塁打。前人未到の日米通算500二塁打(日211、米289)を達成した。500の大台に乗せるのは日本人初の快挙だ。21日(日本時間22日午前11時10分開始)のレンジャーズ戦では、ダルビッシュ有投手(25)と2度目の対戦。再びそのバットで、勢いに乗る右腕の前に立ちはだかる。

 本人にとっては、あくまで結果の積み重ねでしかない。今季9本目の二塁打は、通算500本目のメモリアル。快挙についての報道陣の質問を、イチローは「ご報告ありがとうございます」と軽く受け流し、クールに言葉を返した。

 「(日米通算で)3800本近く(3755安打)打っているわけだから、そりゃまあ、遅いくらいだよね。特別な感情は全然湧いてこない。日米通算というのは、もういいんじゃないの?」。表情は普段と変わらない。しかし500二塁打は、メジャーでも現役では7人しか達成していない記録。日本での最多は立浪(中日)の487本となれば、まさに偉業だ。3回、右腕ガスリーの外寄りのカーブを右中間へ。しかし野手の間を抜けた打球ではなかっただけに、普通の選手なら間違いなく単打だったろう。最初から二塁を狙った走塁。悠々セーフだった。

 二塁打の定義は、イチローにとって簡単ではないという。この日のように足の速さや走塁技術、状況判断などで単打が二塁打に変わることもあれば、二塁打が三塁打となるケースも多いからだ。「三塁打はいいと思うんですけれど。人が行けないところを三塁打にしてしまうケースがある。ちょっと解析しづらい」。オリックス時代は全体の17%だった二塁打はメジャーで12%に減少。一方で三塁打は2%から3%へと微増しており、「特別三塁打が多いわけではないが、そう言う意味で難しい数字」とも語った。

 メジャー12年目、プロ21年目での到達。常に数字との闘いを宿命づけられる男にとっては、通過点に過ぎないのだろう。21日には、4月9日の初対決で3安打したダルビッシュとの再戦が待つ。二塁打王は、ダル相手にも迷うことなくバットを振り抜く。

 ≪二塁打は全体の13%≫イチローの安打数の内訳を見ると、二塁打は全体の約13%となる。オリックスでは951試合で1278安打を放ち、内訳は単打が926本、二塁打211本、三塁打23本、本塁打118本。二塁打の割合は全体の約17%だった。マリナーズでは1792試合で2477安打。単打が2016本、二塁打289本、三塁打76本、本塁打は96本で二塁打は全体の約12%となっている。

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2012年5月22日のニュース