光星準V…東北勢9度目挑戦実らず「ここ一番でミスが」

[ 2012年4月5日 06:00 ]

<大阪桐蔭・光星学院>表彰式で準優勝メダルをかけてもらう光星学院ナイン

第84回センバツ高校野球大会決勝 光星学院3―7大阪桐蔭

(4月4日 甲子園)
 野球の神様は、どこまで試練を与えるのか。東北勢9度目の挑戦も、険しく立ちはだかる白河の関。「被災した地元・八戸市や東北に優勝旗を」――。復興元年の大会。光星学院ナインの夢は、またも破れた。

 「(日大三に0―11で大敗した)昨夏の決勝は5安打しか打てなくて、日本一は遠いと気づかされた。でも今回は藤浪から12安打した。差は感じなかった。日本一まであと少しだと思う」。新チーム結成後、公式戦16戦目で初黒星。それでも藤浪から3安打した田村主将の手には、確かな感触が残った。3、5回にはその田村、北條の連打で得点。身上の粘りを発揮した。4、6回以外は走者を出し、最後まで153キロ右腕を苦しめた。

 昨夏の甲子園準優勝直後に、当時の3年生部員の飲酒問題が発覚。新チームは1週間の練習自粛を強いられた。田村は「甲子園はもういいやという気持ちになった。チームはバラバラだった」と振り返る。昨秋の青森大会前。仲井宗基監督が「取り返すには甲子園で結果を出して認めてもらうしかないぞ」と熱く語りかけた。3年生は引退後も打撃投手を買って出てくれた。「あれで何が何でも勝たないといけない気持ちになった」と田村。指揮官が「史上最弱」と評したチームが、1日1000本フルスイングの猛練習で強い絆を築き上げ、甲子園の決勝の舞台に戻ってきた。

 感動、勇気とともに東北に紫紺の大旗を届けることはできなかった。指揮官が「よく打ったけど、ここ一番でミスが出て取るべき点が取れなかった。何度でも挑戦する」と言えば、2度の走塁ミスがあった北條も「力をつけて夏に帰ってきたい」と雪辱を誓う。夏には笑顔の花が咲くことを信じ、光星ナインはさわやかに甲子園を去った。

 ▼巨人・坂本(06年度卒)惜しかったですね。残念です。もう一回チャンスがあるので、夏に頑張ってほしい。

 ≪夏春連続準Vは2校目≫光星学院は昨夏も準優勝。夏春連続準優勝は38―39年の岐阜商に次ぎ2校目。10年夏準V、11年春Vの東海大相模に続けなかった。

 【センバツあらかると】

 ☆総観客数 昨年の41万3000人から5000人減の40万8000人。決勝戦は開門時に850人が列をつくり、徹夜組は3人。

 ☆雨天順延 3度の雨天順延は98年の第70回大会以来14年ぶり。決勝戦の順延は86年の第58回大会以来26年ぶり9度目だった。

 ☆本塁打 昨年から4本増の19本。07年の低反発球導入から10→14→13→15→15→19と推移している。

 ☆応援団賞 最優秀校は宮崎西(宮崎)。優秀校は石巻工(宮城)、高崎(群馬)、愛工大名電(愛知)、三重(三重)。

 ☆義援金 東日本大震災被災者支援のため、大会期間中は球場内に募金箱が設置されて募金活動が行われた。

続きを表示

2012年4月5日のニュース