悲運のエース返上だ!明大・野村 4安打完封で日本一

[ 2011年11月28日 06:00 ]

<愛知学院大・明大>完封勝利で優勝を決め、捕手の川辺と抱き合う明大・野村

第42回明治神宮野球大会最終日 明大2―0愛知学院大

(11月27日 神宮球場)
 悲運のエースがついに頂点をつかんだ。広島からドラフト1位指名を受けた明大の野村祐輔投手(4年)が27日、決勝の愛知学院大戦に先発。4安打を許しながら打者27人で抑えきる快投で無四球完封。明大を史上最多の5度目の優勝に導くとともに、広陵時代の07年夏の甲子園で準優勝に終わった悔しさを晴らした。有終の美を飾った野村は日本一を手土産にいよいよプロの門を叩く。

 興奮冷めやらぬ神宮の正門前。試合終了から約1時間30分が経過していたにもかかわらず、約300人の明大ファンが主役を待っていた。ミーティングを終えた野村の登場と同時に湧いた大歓声。15年ぶりの優勝に導いた立役者は、胸を張って応えた。

 「日本一だけを目標にやってきました。高校のときも悔しい思いをしていたので、日本一には凄いこだわりがあった。それがかなってよかったです」

 フィールディング、けん制、洞察力。投手としての総合力の高さをいかんなく発揮した。初回。無死一塁から古屋の足元への難しい打球を難なく処理して投ゴロ併殺打。5回には素早いけん制で一塁走者を刺した。ハイライトは7回。1死三塁のピンチで2度目のスクイズの気配を察知すると、3球目のスライダーをあえて外角低めにワンバウンドさせて空振りを奪いピンチを脱した。「予感がしました。低めに外せばバントしにくいと思って」。結局4人の走者を出したが、27人斬りを達成。わずか91球で無四球完封を演じた。

 7回のピンチでは高校時代の苦い思い出を彷彿(ほうふつ)させるシーンもあった。初球にスクイズをした田中のバットに打球が2度当たったが、一時は球審が本塁生還を認めた。野村は広陵時代の07年夏の甲子園決勝でも、球審のストライク、ボールの微妙な判定に泣き、佐賀北に逆転負けを喫している。結局、善波達也監督の抗議が実り判定はファウルに覆ったが、またしても日本一を目前にして判定に泣くところだった。

 野村は4年前の佐賀北戦のビデオをまだ1度も見たことがないという。スタンドで観戦した父・武志さん(49)は「本人は口には出しませんが、悔しい思いを持ち続けてるんだと思います。だから私たちも見てません」。その思いが、準決勝の東北福祉大戦での7回2安打11奪三振無失点とこの日の完封につながった。エース右腕がとうとう仲間を頂に導いた。

 「これからが本当に厳しい戦いの始まり」。学生最後のシーズンを最高の形で締めくくった野村は紫から赤いユニホームに着替えて再び日本一を目指す。

 ▼愛知学院大・伊藤孝真監督 野村君に勝つことの難しさを思い知らされました。制球力があって球に切れがある、いい投手でした。優勝より六大学に勝ちたい。来年また戻って来たい。

 ▼楽天・星野監督(明大OB)たいしたもんだね。俺はお祝いのコメントなんて言えないよ。優勝していないんだから。今の子は簡単に勝っちゃうけどな。善波(監督)がうまくつくり上げたよね。その中で野村というしっかりとした軸がいるんだろうけどね。

 ▼慶大・伊藤(阪神ドラフト1位。一塁側スタンドで観戦)同じ東京六大学の明大には優勝してほしかった。野村とは大学時代から切磋琢磨(せっさたくま)しながらやってきたので、プロでも対戦が楽しみですね。

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