ラミ外す執念の采配 原監督が通算600勝到達!

[ 2011年8月21日 06:00 ]

<巨・ヤ>通算600勝を達成し、スタンドの声援に応える原監督

セ・リーグ 巨人7―2ヤクルト

(8月20日 東京D)
 あくまで通過点にすぎない。巨人・原監督が球団史上4人目の監督通算600勝。試合後のオーロラビジョンに表示された「祝 原監督通算600勝」の文字を確認した指揮官は、苦笑いしながら首を振った。

 「結果的に600という数字を達成できた。それだけ。選手、スタッフみんなのおかげです。逆にありがとうございます、とこちらが感謝の意を示したい」。06年から4番を485試合任せたラミレスを先発から外す荒療治。状態が悪い主砲は由規に今季7打数4安打、打率・571と抜群の相性を誇るが、「ペナントレース144試合で戦う。安易な軽い言葉では言えない」と、データより勝つための用兵策を貫いた。今季は状態が悪い阿部、小笠原を先発から外し、ミスが続いた坂本も2度の懲罰交代を命じた。目指すは勝利のみ一点。指揮官の思いは選手に乗り移り、そして由規を見事に攻略した。

 初回1死一、二塁。08年5月3日のヤクルト戦(神宮)以来、3年ぶりに4番に据えた高橋由が際どいボール球を見極めて四球を選んだ。満塁と好機を広げ、小笠原が2ストライクから「何とかしようと食らいついて見極められた」とフルカウントまで粘り、先制の左中間2点二塁打。阿部も同様に2ストライクと追い込まれたが、コンパクトなスイングで左中間へ。2者連続の2点二塁打。粘り強い攻撃で一気に4点を奪った。

 首位・ヤクルトに連勝し4ゲーム差。再び貯金を1とし「きょうの勝ちをしっかりつないで、先制点を取って主導権を握った試合運びをしたい」と原監督。理想へ道半ば。次に目指すのは、まず601勝目だ。

 ▼巨人・高橋由(08年以来3年ぶりの4番に座り、初回1死一、二塁で好機を広げる四球)たまたま回ってきただけで、別に打順は。つながなきゃね。

 ▼巨人・長野(8回2死満塁で走者一掃の中越え二塁打)2度(2、4回の得点機で)試合を決められなかった。(最後に)みんながつないでくれて打てて良かった。

 ≪長嶋さん上回るペース≫巨人の原監督が通算600勝を達成した。監督通算600勝は、6月6日の巨人戦で日本ハムの梨田監督が達成して以来史上21人目。巨人で600勝以上は川上1066、長嶋1034、水原881に次ぎ4人目。初勝利は02年4月3日の中日戦(ナゴヤD)。通算600勝の最速記録は水原の910試合で、原監督の1099試合は歴代8位。巨人では前記水原、川上(1025試合)には及ばないが、長嶋(1188試合)を上回るペースになった。

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