斎藤、強運4勝!“消えた白星”戻ってきた

[ 2011年8月21日 06:00 ]

<日・オ>お立ち台でポーズをとる斎藤(左)。右は鶴岡

パ・リーグ 日本ハム4―0オリックス

(8月20日 札幌D)
 あの夏の日が、今も続いているかのようだ。8・20。日本ハム・斎藤にとって特別な日に7月17日の西武戦(札幌ドーム)以来、約1カ月ぶりの白星を手にした。5回7安打2四死球ながら無失点。今季4勝目は格別の味だった。

 「きょうは決勝があったし、甲子園を思い出しての投球ができた。この季節はいい思い出しかない」。斎藤にとって宝物ともいえる思い出は、ちょうど5年前のこの日。早実のエースとして、駒大苫小牧・田中と決勝戦で延長15回を投げ合った。翌21日の再試合も最後まで投げ抜き優勝。その熱戦に日本中が沸き返り、斎藤は「ハンカチ王子」として一躍時の人に。その田中とプロ入り後初めて同じ日に登板し、ともに白星を手にした。

 今夏も時間の許す限り、その熱戦をテレビ観戦。高校生が必死に投げる姿を見ていて「気付いたことがあった」という。「いい体の使い方だな、こういう体重移動だと球に力が乗るな、とか。いろいろ見てブルペンで実践してみました」。自身の原点である甲子園。球児から大きなヒントを得た。奪三振は1個ながら「2ストライクまでいけたので、(相手が)際どい球にも手を出してくれた」。初回2死満塁など毎回安打を浴びながら、最後までホームを死守した。今季の被打率は無走者での・291に対し、得点圏に走者を置くと・175。「最近ピンチも多いので、落ち着いて対処できている」と、ここぞで力を発揮している。

 「持ってる男」には女神もほほ笑む。6回1死三塁。荒金の右飛で、三塁走者のバルディリスが同点のホームを踏んだ、はずだった。斎藤の白星が消えた、と思いきや、離塁が早いとのアピールで一転アウトになった。首位・ソフトバンクとの差を3ゲームに縮め、貯金は今季最多の25。全国制覇から5年、今度はプロの世界での優勝へ。斎藤の熱い季節は終わらない。

 ▼日本ハム・梨田監督 少し球が高い、甘いもあったけど、それでも5回無失点。5勝目を早くして、1つでも多く勝ってくれたら。

 ▼日本ハム・吉井投手コーチ もっと投げたかっただろうけど、監督の信頼できる投手になれるようにまた頑張ってほしい。

 ▼日本ハム・鶴岡 途中からフォークの握りを変えて切れが良くなった。左打者へのカットボールも効いていた。本人としても最近の中では一番良かっただろうし、まだ投げられる感じがあったと思う。

 ▼日本ハム・真喜志内野守備コーチ(6回1死三塁で、タッチアップを試みたバルディリスの離塁が早いとアピール)ベンチで全員が“早い”と言っていた。アピールしてみるもんやな。奇跡や。

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