久慈東 双子バッテリー“あうん”の1-0完封

[ 2011年7月19日 06:00 ]

<盛岡北・久慈東>完封した久慈慎(中央左)久慈雄(同右)バッテリーを称える久慈東ナイン

岩手大会3回戦 久慈東1―0盛岡北 

(7月18日 雫石)
 第93回全国高校野球選手権大会(8月6日から15日間、甲子園)の地方大会は18日、南北海道で開幕したが台風6号の影響により鹿児島など10大会が雨天中止となり、31大会で215試合が行われた。岩手大会では東日本大震災で津波の被害を受けた久慈東が、久慈慎也投手、雅也捕手(ともに3年)の双子バッテリーの活躍で盛岡北から12三振を奪い、1―0で勝利。20日の花巻東との4回戦に駒を進めた。19日は25大会で159試合が行わる。

 まさに「あうん」の呼吸だ。小5からバッテリーを組む久慈東の久慈ツインズがチームを16強に導いた。弟・雄也の絶妙なリードで、兄・慎也が12奪三振の完封。6回に挙げた虎の子の1点を守りきり「投げたいボールは一致してますから」と笑顔で声をそろえた。

 小学校時代から常に行動は共にしてきた。学校の登下校も同じなら、高校進学の際も「一緒にバッテリーを組みたかった」(慎也)と同じ道を選んだ。高校での成績は「慎也の方が上」と雄也は笑うが、東日本大震災の影響で野球部の練習が中断されても、2人は体を休めないためにキャッチボールをしてこの夏に備えてきた。この日も慎也の球がシュート回転していたため、雄也が中盤から外角中心の配球に変えてゼロを並べた。

 新調したユニホームにはさまざまな思いも詰まっている。岩手県の沿岸部に位置する久慈市は約1000棟が地震や津波の被害を受け、部員の一人は大切なユニホームが流されてしまった。すると、石橋智監督の知人が全員分のユニホームをプレゼント。これを機にカラーも一新し、アイボリーからグレーに変更した。新ユニホームでは大会前の練習試合を含めて4戦全勝と負けなしだ。

 慎也は「地元に元気を与えるプレーをしたい」と力を込める。復興を目指す地元の力となるべく、久慈ツインズは20日の次戦で優勝候補筆頭の花巻東に立ち向かう。

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2011年7月19日のニュース