プロ注目 “清原以来”のスラッガー 低迷から復活の2発

[ 2011年7月19日 10:53 ]

<九州学院・天草工>2本塁打を放った九州学院の主砲・萩原

 第93回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の熊本大会は18日、4回戦3試合が行われ、3季連続甲子園出場を狙う九州学院は、プロ注目の4番・萩原英之(2年)の2本塁打などで11―8で天草工との乱打戦を制し、8強進出した。

 悩める主砲が完全復活だ。昨夏、83年PL学園・清原(現野球評論家)以来の1年生4番本塁打で甲子園に鮮烈デビューした萩原が、待望の今夏初アーチ、それも自身初の公式戦2発。「九州学院の4番の誇りを持って打席に入った」と最高の笑顔がはじけた。

 初回だった。2死二塁で天草工・渡辺の3球目、内角直球を引っ張った。「何が何でも先制点を取ると、がむしゃらに振った」打球は両翼99メートル、中堅122メートルの藤崎台球場の右中間席中段へ飛び込む高校通算15号の先制2ラン。7―6で勝ち越した後の8回の第5打席は、1死走者なしで渡辺の5球目、再び内角直球を右翼席中段へぶち込む同16号ソロ。両チーム合わせて33安打の乱打戦でも、6打数4安打4打点、2本塁打の主砲の存在感は際立った。

 昨夏の記憶は萩原に本来の打撃を見失わせた。「重圧もあった」と今春センバツは2試合で7打数無安打。悩み抜いてフォーム改造に着手。グリップを一番低い位置から徐々に上げ、最もスムーズに振り抜ける位置を探した。探し当てた位置は以前よりやや低く、振りはコンパクトになった。体重も5キロ増。夏はここまで2試合で4打数2安打、打点なしだったが「調子が悪くても良いと思って自分を奮い立たせた」覚悟がようやく実を結んだ。

 それでも坂井監督は「4番だから打つのは当然」。厳しい言葉は期待の大きさの裏返しだ。萩原は「4番としてチームを引っ張るには打つこと。もう一度甲子園で本塁打を打つことが目標」。3季連続の代表まであと3勝。快音を取り戻したバットで聖地へけん引する。

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2011年7月19日のニュース