ダルビッシュ“球宴W1位御礼”自己最速10勝

[ 2011年7月1日 06:00 ]

<日・ロ>7回、バックに声をかけるダルビッシュ

パ・リーグ 日本ハム5―4ロッテ

(6月30日 札幌D)
 「マツダオールスターゲーム2011」のファン投票最終結果と選手間投票結果が30日、発表された。日本ハム・ダルビッシュ有投手(24)はファン投票、選手間投票とも1位と貫禄の選出で、先発したロッテ戦でも8回2失点。4試合連続2桁三振となる13三振を奪い、自己最速で10勝目に到達した。4日には監督推薦選手を含めた各リーグ31人の出場選手が決定し、さらに各リーグから「最後の1人」を選ぶ特別枠が13日に発表され全陣容が出そろう。
【ファン投票結果 試合結果】

 当たり前のような球宴選出。それを証明する、貫禄の投球だった。8回7安打2失点の13奪三振。数字だけ見れば普段通りだが、そこで満足しないのがダルビッシュだ。

 「ここ3試合、状態は良くなかった。だから(さらに)腕を下げたんです。いい球がいくし、打者が空振りする」。滑る公式球で微妙に狂い始めた投球フォーム。15日の阪神戦(甲子園)から時折、試合中にサイド気味に投げ始めた。4回、里崎を見逃し三振に仕留めた150キロ直球も横手から。この日は10球以上を横から投じたが「中学時代(大阪・峰塚中)はサイドでした。肘を下げて投げるのは合ってるんです」。こんな芸当ができるのも、絶対エース以外にはいない。一転して8回無死二、三塁では「小細工して打たれるのが嫌だった。最後に力を振り絞った」。大松への120球目がこの日最速の154キロ。上から、横から、そして思うがままの剛速球。まさに変幻自在だ。

 全国のファンと現役選手が、当然のようにその力を認めた。球宴ファン投票では16万1420票を集め、リーグ先発部門1位。それだけではない。08年に始まった選手間投票でも史上最多の490票をゲット。「選んでいただいたファン、選手に感謝します。毎年オールスターは良くないけど、できる限りのパフォーマンスを見せたい。巨人の長野君とまだ対戦してないんで投げてみたい」

 これで両リーグ最速どころか、09年を上回る登板12試合目、チーム56試合目と自己最速ペースでの2桁10勝到達。チームでは土橋正幸(75)以来、2人目の6年連続2桁勝利だ。まだある。45試合目の2桁奪三振は松坂(レッドソックス)らに並ぶ5位タイ。08年に続く2度目の4試合連続2桁奪三振は野茂、伊良部と並ぶ快挙だ。
 「これぐらいのコンディションでも試合はつくれるし、これ以上落ちることはない。(最速10勝は)巡り合わせが良かった。こんなにうまくいくこともあるんですね」。中5日も関係なし。今季初の同一カード3連敗のピンチを救ったエースには、白星が本当によく似合う。 

 ▼日本ハム・梨田監督 中5日でもまずまず。狙って三振を取っていたね。

 ▼日本ハム・吉井投手コーチ 6年連続2桁勝利?ワシの知っているマダックスという投手は17年連続15勝以上。それに追いつくくらいの投球をしてほしいし、ダルならできると思う。

 ▼日本ハム・芝草投手コーチ 自分のひらめきで横から投げたり、思い切ったことができる投手。

 ▼日本ハム・鶴岡(サイドからの投球に)僕もビビるくらい。何となく来る雰囲気はあったけど。

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